【軍パロ】双子と我々だ国の幹部達 (ページ8)

今日:2 hit、昨日:17 hit、合計:518 hit

・ページ8

涼太side

朝から嫌いな幹部に呼ばれ、それだけで嫌気が差していたのに。

変な任務を総統様から言い渡されて更に憂鬱な気分になった。

最後は追い討ちをかけるように、幹部様方からトラウマが蘇るような暴言も吐かれて。

まだ完全にトラウマを克服できていないA姉さんは拳を膝の上で作り、少し俯きながら震えていた。

見るに堪えない気持ちになり、ガタッと音を立てて椅子から立ち上がる。

すると、A姉さんもすっと立ち上がって深々と頭を下げながら『失礼しました』と言い扉の方へ向かって歩き出す。

僕もぺこっとお辞儀をしてから談話室を後にした。

＿＿＿＿＿

お昼まで時間はあるから、それまではいつも通りの仕事をしようと思い掃除用具を取りに向かった。

しかし、そこには普段から良くしてもらっている先輩がいて…

先輩「お疲れ様。今日は仕事しなくてもいいよ。私たちでやっておくから」

…との事。

流石にそれはだめだと思ったのか、間髪入れずにA姉さんが言葉を発した。

『申し訳ないです！準備でしたらすぐに終わらせられます。それに、先輩方に負担をかけさせる訳にはいきません』

先輩「いいからいいから！たまには甘えなさい」

『でも…っ』

先輩「しっかりと任務をこなしてきたら、無かったことにしてあげるから」

『…』

先輩「分かった？」

『は、はい…』

A姉さんは少し納得してないようだったけれど先輩がこう言ってるんだし、準備する時間ができたって思えばいいよね。

＿＿＿＿＿

先輩に感謝を伝え、キッチンで自分たち用の軽食を作り、部屋に戻ってきた。

時間はまだまだあるけれど、いつでも出られるようにと外交用の服を着て二人くつろいでいた。

A姉さんも狐の姿になってベッドの上でひと休みしている。

僕たちは、狐の姿に化けることが出来る異次元のような能力を持ち合わせている。

これは、僕らが小さい頃から持っている少し不思議な能力。

…いや、"持たされた"という方が正しいかもしれない。

人間の姿の方がもちろん便利だが、狐の姿になると精神が落ち着いていられる気がする。

『くぁ…』と声を漏らしながら欠伸をしたA姉さん。

少し眠たそうにしているのも可愛らしい。

…外交、か。

そういえば、ここに来て城から一歩もでたことなかったっけ。

久しぶりの外出、楽しみだな…。