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私が質問を投げた数十秒後に、大きなため息をついて総統様が口を開いた。
なんでそんなに大きなため息をつかれなくちゃいけないの…((
総統「…お前たちを外交に連れて行こうと思ってな」
『え…外交、ですか…？』
総統「ああ。だが！ただただ連れて行くだけではないからな？しっかりと任務もこなしてもらう」
急な話に頭が追いつかなかった。
予想の遥か斜め上の事実を総統様が口にした。
今、外交に連れて行くと言いましたか…？
それに、任務まであるって…。
国のためになることなら何でも従うけれど、それは変わりないことなんだけど…！
少しおかしいな、と感じてもいいと思う。
私たちはここに入ってからまだ五年しか経っていない。
外交に行くなら、私たちよりも先輩を連れて行く方が安心なんじゃないのかな。
信用度、信頼度、安心度、もちろん…って言っていいのかは分からないけど、服従度だってあるだろうし…。
何もかもに置いて私たちには足りていないものばかりだ。
だから、私たちを選んだ理由が検討もつかない。
総統「どちらでもいいから分かったなら返事をしろ！返事を！」
『は、はい…っ！』
総統様の声で一気に現実に引き戻され、慌てて返事をする。
急にそんな大声で怒鳴らないでいただきたい。
ただでさえこの談話室は他の部屋よりも狭いっていうのに。
幹部「まあ、そういう事だから。昼食後に出発するから遅れないように。集合場所は正門の前だ。分かったな？」
『承知、いたしました…』
そう返事したはいいものの、その先どうすればいいか分からずずっと席に座っていた。
どうしてか、だって？
小さい頃から命令されるまでは何もしてはいけないと教わってきたから。
その掟を守って何もせず座っていると、幹部様方がざわざわと何かを話し出す。
みんな、私たちの方を見ながら。
幹部「承知したなら早く出ていけ！」
幹部「お前らがここにいていい訳ねぇんだよ！」
幹部「そうだそうだ！」
幹部「目障りなんだよ。早く消えろ」
幹部「気持ち悪い…」
幹部「何でお前らみたいなのが俺らと一緒なんだよ」
幹部「死.ん.でしまえばいいのに」
一人の幹部様が口を開いた。
それに続いて雪崩が起きたように皆思い思いの言葉を私たちにぶつけてくる。
ああ…これだから嫌いなんだよ。
一人で何も出来ない奴は。
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作者名：夜月 | 作成日時：2024年3月10日 20時
