【軍パロ】双子と我々だ国の幹部達 (ページ18)

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戦争開始ページ18

涼太side

幹部「おい起きろ！敵襲だ！今すぐ準備して戦場へ向かえ！！」

幹部「敵国の総統の首を持って帰ってくるんだっ！」

扉の向こうから幹部様の焦ったような怒鳴り声が聞こえてきて、無理やり体を動かす。

A姉さんは起きてすぐに怒鳴られたことに機嫌を悪くしたのか、扉の向こうにいるであろう幹部様を睨みつけていた。

とりあえず、外に出ることは確かだからいつものお面を雑に付ける。

寝起きの僕たちは寝間着から戦闘着に着替えることもせず戦場へと向かった。

＿＿

走って向かっていた勢いでそのまま城の中庭に出ると、それはもう悲惨な出来事になっていた。

戦っていたであろう幹部様達は血を垂れ流して倒れていて、周りは火で覆い尽くされている。

『これは…』

「酷いやられようだね、」

『さっきの大きい音の正体はこれか…』

「…A姉さん。見たところここには生存者も敵もいないみたい」

『了解。じゃあ死ぬ覚悟で前線に行くよ』

「はーい」

死んでいる幹部様の手に握られていた武器を奪い取り、高い火の壁を飛び越え、できる限りのスピードであの森へと向かう。

城下町を駆け抜けている間も、至る所で接戦が繰り広げられていた。

どういう訳か、街の住宅は被害に遭っておらず特に目立った損傷も見当たらない。

不思議には思ったけど、今の僕らにとっては関係の無いことだ。

今は敵国の総統の首を持ち帰ることだけに集中しないといけない。

そうこうしているうちに静かな森の中へ身を潜めることに成功した。

体力回復のついでに見つけられても怪しがられないよう狐の姿に化ける。

遠くの方から、金属がぶつかりあったり人が倒れていく音が聞こえてくる。

そこで、ふと思った。

そもそも、どこの国から戦争を仕掛けられたっていうのさ。

何の情報も伝えられないまま戦場に駆り出された僕たちの身にもなってくれ、と。

あまり遠い国からの襲撃じゃなければいいんだけど…。

ここら辺の幹部の戦闘服は何となく覚えているから、最悪の場合それを見てどこの国か判断すればいいか。

辺りの状況を把握するため、ジャンプをして少し高い木の枝に登る。

A姉さんは木の下で周りを警戒してくれている。

スンスンと鼻を鳴らし幹部様の匂いを探す。

それが一番濃い方に目を向けると、黄色い男と半袖の男がこっちに向かってくるのが見えた。