【軍パロ】双子と我々だ国の幹部達 (ページ17)

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Aside

郊外に行き任務をこなした日から数週間が経った。

あれから変わったことは特になく、強いて言えば総統様からの当たりが少し優しくなっただけ。

今日も今日とて、雑用係としての仕事をしっかりとこなす。

いつも通り窓を拭いているとき、私にはこの仕事がお似合いだと思った。

外にも出ず、実験台にされるわけでもなく、存在は空気のように扱われるけど、一応居場所はある。

そんな刺激のない平凡な生活が今の私にはちょうど良い、って。

日が暮れ、今日最後のやる仕事も終わり、シャワーを浴びてから部屋に戻る。

相変わらずここの廊下は寒いな…。

ふと、外交から帰ってきた後、誰かに監視されてたような気がしていた事を思い出す。

帰ってきてすぐ城の見回りをしていたときにも、物置から何か音が聞こえたのも関係しているのだろうか。

その話をしたくて急いで部屋に戻り涼太を探すけど、珍しく狐の姿になって眠っていた。

布団で自分を守るようにして気持ちよさそうに寝ている。

なんとなく傍に座って、そっと毛並みに沿うように背中を撫でた。

涼太「コォン…クゥ～ン…」

『…いい夢見てね』

何回か撫でたあと、涼太の睡眠の邪魔をしないよう静かに自分のベッドに戻った。

布団を肩までかぶり、瞼を閉じる。

今日は疲れていたのか、すぐに眠りにつくことができた。

＿＿

青く澄んだ雲一つない空

綺麗に整えられている豪華な庭

仲の良い幹部とその仲間たち

皆、楽しそうに広い庭を駆け回っている

これは、私と涼太が思い描いていた理想の暮らしだった

ここは一体何処なんだろう？

あそこにいる人たちは、誰なんだろう？

気がつくと私は童話に出てくるような色鮮やかな空間にいた

戦争なんて生涯無縁のような、平和で幸せな場所

誰かに手を引かれ、みんなの輪の中に連れて行かれる

ここが何処かは分からないけれど、ずっとここにいたい

この幸せな場所で、私は…

＿＿

ガタガタと何かが激しく揺れている音がして意識が引き戻されていくのが分かった。

それと同時に、ああ…今見ていたのは夢だったのか、と少し悲しくなる。

地震か何かが起こっているのかと思い、目を開けた瞬間だった。

城の外でドカンッという大きい爆弾の音が鳴り響いている。

驚いて飛び起きると城のあちこちで警報が鳴っていることに気がついた。