【軍パロ】双子と我々だ国の幹部達 (ページ12)

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ゾムside

ロボロから警戒報告が入った。

そいつらは国の情報がびっしりと並べられているあの部屋に向かったそうや。

ただの弱い国の手下や思ってたのになあ。

いつの間にあんな所侵入してん。

ここの幹部の中でも高い位の人達しか知らへん、しかも鍵が厳重になってるあの部屋やで？

ダクトで行くとしても俺しか分からんような仕組みになってるはずやのに。

もっと強化してもらわないとな。

というわけで、今は例のその部屋にいるんですが…

え、誰もおらんくない？

人の気配すら感じひんのやけど。

端っこから順に見回ってはいるけど特に怪しいのはおらんな。

なーんや、おもんな。

せっかく久しぶりに暴れたろ思ったのに。

自分の部屋に戻ろうかと思ったその時だった。

上に誰かがいるような気配を察知した。

念の為少し離れた場所に隠れる。

すると、餌につられた草食動物かのようにすとん、と人が上から降りてきた。

一応警戒はしているのか、周りを見渡しながら部屋の奥へと進んで行った。

手にはこの国の極秘情報らしき紙も持っている。

ここで捕まえとかないと逃げられたら後々厄介なことになるのは目に見えている。

例えば、やって？

トントンにしこたま怒られたり、書類の量が増えたり、俺にデメリットしかない未来が待ってるわ。

だからギリギリまで耐えて、我慢して、あいつが隙を作った瞬間に襲いかかんねん。

しばらくして、仲間を呼ぼうとしたのか肺が少し膨らみ口が開かれたのを見逃さなかった。

何をするにしろ、声を出そうとしたのは間違いない。

すかさず俺は手を伸ばしてそいつの口を塞いだ。

『っぐ、！？』

「お前誰や。なんでこんなところにおるねん」

そう言いながら抵抗されないように隠し持ってた短剣をそいつの首筋に突きつける。

「ここに何しに来てん。お前、仲間もおるな？そう簡単には逃がさへんからな」

こんだけ脅しとけば怖気づいて降参するやろ。

そう油断したのがあかんかった。

部屋の奥の暗闇から誰かの走ってくる足音が聞こえてきた。

次の瞬間、闇の中から何かが飛んできて目の前が真っ暗になる。

「っ！？ごほ、げほっ」

びっくりして手の力を緩めてしまう。

その一瞬で俺の腕の中にいた奴は猫のようにすり抜けて消えてしまった。

くそっ、逃がしてしもうたか。