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動く ページ6

「夜蛾。例の子供はどうだ」

暗闇に複数の障子が浮かび上がる空間。
呪術界における上層部は、障子に囲まれるように
立つ夜蛾に問いかける。

夜蛾「…報告の通り、今まで例のない術式です」

「なんと、新しい術式だというのか!」
「フン、くだらぬ術式であれば意味が無いものだ」
「いや、女であろう?世継ぎに期待という手も…」

下衆だ。まだ学校にも通っていない年の子供にすら
容赦無い下衆発言。だが、これが呪術界の現実。
下衆で、卑劣で、最低な世界だ。

「で?どのような術式なのだ?」

夜蛾「………呪力の消去と、存在の滅却です…」

一段と老人達の声が大きくなる。

「呪力の消去ぉ?」
「五条の無下限も通じぬという事か!ガッハッハッ!!」
「五条家が堕ちるのも時間の問題かえ?」

そう。Aを引き入れた家は天下を取れる。
それは現在の呪術界最強と謳われている五条家すらも
たじろぐであろう術式なのだ。

夜蛾「ですがーーー」

その前に、大きな問題が1つある。

夜蛾「あの子は、呪霊を祓うことに否定的です」

「……………あ?」

夜蛾「彼女は呪霊を愛し、呪霊も彼女を愛して
います。
呪術師として引き入れても、呪霊を祓う祓う(殺す)ということを知ったら………最悪、呪詛師になるかもしれません」

「ならば殺せ」

間髪入れずに出た応えに、夜蛾はやはりか…と汗をかく。
彼らもわかっているのだ。そんな術式を持った人間が呪詛師になれば、呪術師は全滅する。
殺せ、殺せ、と騒ぎ立てる老人達

「まあ待て、良い考えがある」

そんな中、上層部の1人が他のもの達を制する。

「確かに、その娘が呪術師になりたいと願うことはないだろう。ならばどうじゃ、呪術師にならざるを得なくすればよい」
「どうゆうことだ」
「高専は全寮制。娘は教会の者に拾われた養子。
教会の者達は非術者…見えないものを見えると騒ぐ子供など、気味の悪いものはさっさと手放したいじゃろ
こんな好都合なことは他に無い。高専に上がる歳まで呪術師の事は隠しておけば良い、その時に突きつけるのじゃ。呪霊を祓って居場所と金を得るか、呪霊のみを得るか」

呪霊と共に生きるならどうしても金が必要。
呪術師になる事を断ったら生きていけない、それを
逆手にとろうと言うことだ。

「夜蛾。小娘の世話はお前が担当しろ
…しくじったら、わかるな」
夜蛾「………はい」

少女の未来は、惨い仕打ちの為だけに動き始めた。

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縁儺 - 私が主人公だったら上層部消す(ドヤァ)んで上層部なって皆に適切な仕事を送ったりする (2022年5月27日 19時) (レス) @page21 id: a1a94a6f52 (このIDを非表示/違反報告)
みと - 更新待ってますね!とてもお気に入りです! (2022年1月25日 0時) (レス) @page16 id: 88b31f4df5 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿です - 凄い面白いです‼︎でも子供の頃から友達だった呪霊を消すのはきついですね💧 (2022年1月22日 8時) (レス) @page16 id: 28f067a82d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せむせむ | 作成日時:2021年7月14日 23時

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