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ー出陣ー ページ11

『悲鳴嶼先生!』

「南無。紀平か、話は聞いている。」

『バスで1度帰ります。日が昇るまでには帰ってきます!』

「気をつけるように…。行ってらっしゃい。」

『はい!行ってきます!』



まだ自由時間。

ホテルの廊下やロビーには、同級生達が数人いる。

怪しまれないよう……バレないよう…身を潜めて抜け出そう。



「A??」

『……炭治郎…。』

「どうしたんだ??何か用か?」


うわぁ。いきなり見つかった。

しかも、出来れば避けたい人に。



『えっと……』


〜♪〜♪〜♪


携帯が鳴った。


【神崎アオイ】


アオイさんだ…。


「もしもしAさん!あと、1時間後を目安でこちらは出発する予定なのですが、間に合いますか??」


『あーはい!急ぎます!!』


「A??」


『ごめん、えっと……あ、みんなには言わないでね!それじゃあ…ねっ!』


急いでホテルを飛び出し、高速バスに乗る。

旅行先が神奈川で、良かった……。
(3年間で2回も修学旅行がある代わりに1年時は近場で済まされる。)



東京に着くと、駅前のビルの上に人が居た。

あそこに登れるのは……



「あ、A!おかえり!」


『善逸……。』


鬼殺隊の誰かしか居ない。

いつもと同じ隊服のフードを深く被り、今日は口元だけ見える狐面を付けている。


今日の鬼は十二鬼月だからだ。

私たち鬼殺隊は、鬼舞辻と近い鬼と戦う時に顔を覚えられないよう、狐面を付ける。



「これ、Aちゃんの隊服と日輪刀。」


『ありがとー』


建物の陰で隊服に着替え、日輪刀を肩にかける。


善逸と暫くビルの上で待機して、玄弥とアオイさんと合流した。


アオイさんに私の着ていた服たちを預け、狐面を付ける。


『出陣だ……。』


行ってきます。

ー上弦ー→←ー修学旅行ー



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作者名:カタツモリ | 作成日時:2020年4月11日 15時

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