ー朝ー ページ2
日が昇る。
辺りがじわじわと明るくなって、私の目の前に落ちている頸もじわじわと灰になっていく。
《鬼殺終了。鬼殺終了。紀平から報告を頼む。》
『3区、4体滅殺完了。犠牲者無し。以上。』
《了解。では、ご苦労。》
私の長い夜が終わった。
現在、AM 5:00。
刀を鞘に戻し、背中のケースに入れる。
疲労が蓄積された重い足を動かし、自宅に向かう。
自宅に着いたのは20分後。
それからはお風呂に入り、少し仮眠を摂る。
疲れているため、直ぐに眠りにつく事が出来る。
……しかし、熟睡は出来ない。5度のアラームで何とか目を覚ます。
眠い目を擦りながら、制服に着替え、菓子パンで朝食を済ませて、家を出る。
さて、今から学校です。
前世で鬼狩りをしていた私は、生まれ変わった今も鬼狩りをしている。
中学2年の頃に記憶が戻り、直ぐに学園内の特設道場で鍛錬を始めた。
特設道場には、前世で共に戦った仲間も足を運んでいた。
前世の記憶は、絶対に他人に話してはいけない。
記憶が無い人に話してしまうと、その人が混乱してしまうから。
校門付近は挨拶の声でガヤガヤしている。
いいなぁ。みんなは何時間寝たんだろう。
あなた達がこうやって平和に過ごせてるのも、私達のお陰なんだから。
元気そうな人達の顔を横目に、校門を潜ろうとすると、1人だけ私と同族が居た。
「はい、ネクタイ締めてー。
君、ダメだよそれ、ボタン閉めて。」
腕に風紀委員の腕章をつけた金髪の少年。
目には隈を作っていて、とてもダルそうに服装点検をしている。
「あ、Aちゃん。どうも。」
『どうもー。』
我妻善逸。同じく鬼殺隊員。
善逸も昨日任務があったのか。
現在、鬼殺隊は5人だけ。
そのうち、戦場に出ているのは私と善逸……
たった2人。
……いや、どんなブラック企業だよって話。
いい加減辛いから、みんな早く前世を思い出してくれと思う反面、思い出さず幸せに暮らしてくれとも思っています。
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作者名:カタツモリ | 作成日時:2020年4月11日 15時