【どうしてこうなった】降谷さんの勘違い4【名探偵コナン】 (ページ8)

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Story145 ページ8

You side

──しかし、これで良かったのだろうか。

降谷さんがなんとか九死に一生を得ることができてよかったのはそうだが、これは私の意思によって引き起こされた結果だ。

今動かしているこの体は降谷Aのもの。しかしその意識は私のもの。

私の意思で、意識でなされる行為が世間で善行だと囃されるものだとしても、きっと彼は良い顔はしない。

人を殺すのは悪いことである。
だが、親の子に対する無関心は正しいのだろうか。
そんな親を憎む子の感情は間違っているのだろうか。

実際はどうだったかは分からない。降谷さんなりに彼の子を案じていたのかもしれないし、

“俺”も幼心なりに誤解していたところがあったのかもしれない。

赤の他人の私にはわからない。
他人の口から言える事はただ一つ。

コミュニケーションは、受け取り手がすべてなのだということ。

──果たして、子供だけが、絶対的な悪なのだろうか。

「少しは気が落ち着いたみたいだな」

「あ、赤井さん」

こんな体なので下手に動くわけにもいかず、朝の件以来ずっとベッドに籠って思考を巡らせていた私だったが、この足りない頭ではまぁ当然のように結論など出そうにない。

まったくよお、最近の親子は関係を拗らせすぎじゃないか！？
なんっで私が全部の尻ぬぐいを丁寧にしてかなきゃならんのだ！誠に超スーパーウルトラ遺憾である！！

この複雑すぎる状況をどう打開したものかどうしたものかとウンウン唸っていると、タイミングよく赤井さんが再び訪ねてきた。

これでも飲むといい、と差し出されたココアに有難く口をつける。
普段使い慣れない分すぐに力尽きてしまった頭に、甘い糖分がじんわり染み渡る。

ほう、と一息ついた所で赤井さんからこんな質問を投げかけられた。

「君の話は昨晩でだいたい把握できたが、坊やはこれからどうするつもりだ？｣

どう、って言われてもなぁ〜…。

確かにこのままじゃ顔がいいだけの居候不登校ニートにとかいう最悪な称号がついちゃうし、いつかここが降谷さんにでもばれた暁には米花町どころか東都一帯が FBI と公安の衝突によって火の海に包まれてしまうことは免れないし……。

私の存在が罪すぎて詰みだなっつって！ガハハ！！
…はぁ。