コスプレが趣味なんです【名探偵コナン/降谷零】

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You side




『よし、こんなもんか！』


鏡の前で角度を変えながら、今回の顔、またの名をコスプレの最終チェックをする。


髪の靡き具合よし、肌のツヤもよし！完璧！！

ごめんなさい、クリスさん。
暫く貴方の顔をお借りします。


そう軽く心の中で謝罪をし、私は今日も今日とて他人の顔で街を歩く。

ここでお察し頂けた方も多いだろう。
私、梶原Aは、上から見てもしたから見ても、根っからの熱狂的なコスプレイヤーである。

今回のコスプレは、暫く前に女優を引退したクリス・ヴィンヤードさん。


ネットで女優さんや俳優さんの画像を漁り、これだ！と閃いた人物にコスプレして出歩くのが、私の密かな趣味だ。

そして、ちゃんと就職もしている。
ニートで熱狂的なコスプレイヤーとか終わってるからね。はは。


そんな誰に向けてかも分からない、自画自賛な自己紹介をしながら、

コスプレ仲間に勧められた今話題のイケメンが居るポアロという喫茶店に入る。


「いらっしゃいませ！こちらへどうぞ！」


出迎えてくれたのは、笑顔がとても良く似合う女性だった。

……えっ、天使…。

そう言って、そのエンジェルは私をテーブル席に案内した。

ちなみに、私はコスプレをすると、何から何までその女優さんの真似事をするタイプである。
もちろん、口調も。

いつもはこんな感じかな？と思いつつ、役に没頭している。


「ご注文がお決まりになりましたら声をお掛けください！」

『ありがとう、My angel』


そしてそう言った途端、店の奥から物凄く鋭い視線を感じた。


…えっ、何？？

そう思いながら、なるべくそっちの方を向かずにメニューを見ていると、

ゴンッと言う音を立てながら机にお冷が置かれた。


ひえっっ。
何この人こっわ……あっでもイケメンだわ目が幸せ。

眼福眼福〜…とイケメンフェイスを堪能して居ると、
そのイケメンさんがドス黒い声でこう言った。


「わざわざなんのようです、ベルモット。」

『……へ？』


………

…あっ、
これは喧嘩をふっかけられているのかな？？(違う)

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