二十五杯目 ページ26
「どうぞ〜」
部屋の扉が開けられ、どんな内装かと見てみたら。
『凄い…』
マンションにしては割と高い天井に、言ってた通り大きいベランダ。さらに、ベランダからの景色は絶景で、都会と山が一望できる景色だった。
『これで、あの値段なんですか…？』
「そうなのよ〜、格安物件なんだけど、ここに住むには少し特殊なルールがあってね。まず二人暮らしの人。オートロックじゃないからね。そして、もう一つのルールが…単純に、私達が気に入った人。たまにいるでしょ？態度悪い人！あぁいうの、嫌になっちゃうのよねぇ」
『な、なるほど』
燈矢は話を聞きながら部屋を見渡していた。
「だから！お二人は…というか、お姉ちゃんがしっかり者だからね。もう決めちゃいなさいよ！」
『えぇ…燈矢、どうする？』
「いいんじゃねぇか。悪い所じゃねぇだろ」
『…うん、そうだね。ここにします』
すると、不動産屋さんはとても嬉しそうに書類をまとめ始めた。
「今月末には住めるよう手配するからね。楽しみにしてて頂戴！あと、おばちゃんからのサービスで家具もちょっとつけちゃう！」
『え、悪いですよ…！』
「いいのいいの。ここに住む人はそういう風になってるの。荷物、ちゃんとまとめておきなさいね」
『本当に、ありがとうございます…！…燈矢も！』
「…あざッす」
『いい所見つかったね。あの人、優しかったし』
「そうだな。余程気に入られたらしい」
『早く荷物まとめなくちゃね。…って言っても、ほとんどないけど』
「殺風景な部屋だよなァ、お前の部屋」
『一人だったから。部屋に招き入れる人もいないし』
「寂しいこった」
そんな会話を交わしながら街を歩いていると、ふと目に留まった人がいた。
『あの子…』
前に見た、確か…焦凍くん、だったか。
『燈矢、行かなくていいの？』
「…まだその時じゃねぇよ。帰るぞ」
燈矢は私の手を掴み、逃げるようにその場を立ち去った。
『…怖いの？』
「…るせェ」
たしかに、今は違うとはいえ、前に敵対していた人は怖いというか…不安があるだろう。
『いつか、戻れると良いね』
「…お前がいるからいい」
『嬉しい事言ってくれるじゃん。今日はお魚にしよっか』
「ふざけンなよ」
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オペ - 無事に尊死…!!! (2022年10月20日 19時) (
レス) @page44 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
sizuku(プロフ) - 主さんのお話最高すぎます、泣！！面白いお話ありがとうございました！！ (2022年4月16日 21時) (レス) @page44 id: e0ce1464e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2021年5月16日 22時
