二十四杯目 ページ25
『今日はお家を見に行きます』
「やっぱり引っ越すんだな」
『うん。前も言ったけどここ好きじゃないから…』
どうしても前の恋人を想像してしまって、いてもたってもいられなくなってしまう。
そのせいで、燈矢と話してる時もたまに上の空になってしまう事が多々あった。それなら、いっその事引っ越してしまおう、という魂胆である。
『燈矢、どこら辺がいいとかある？』
「別に。住めばどこも同じだろ」
『適当だなぁ…あ、あそこはどう？〇〇市のとこ』
「なんかテレビでやってたな。最近流行りのなんたらかんたらがあるってヤツ」
『本当にテレビ見てたかってくらいの適当さね…。合ってるけど。流行りとかじゃなくて、あそこら辺割と安かった記憶あるから。そこでも良い？』
「高級マンション住もうぜ」
『今仕事してないのわかってる？』
いつか見た不動産屋に行き、何軒かの物件を見比べる。
とある物件はお風呂がない。また、とある物件はトイレが共有。
『んん…難しいな』
「もう少し家賃高い所に…」
『燈矢働く？』
「…努力する」
『…しょうがない。すみません、もう少しオーバーしてもいいので、他の物件もお願いします』
そう言うと、ドッサリと紙を持って来られた。
「お金上げるんだったら、おばちゃんここオススメだと思うのね」
『ふむ』
「お姉ちゃんとお兄ちゃん、二人で暮らすんでしょ。だったら少し広めのとこがいいと思うのよ。一軒家は嫌なんでしょ？」
『はい…できればアパートとかマンションがいいです』
「じゃあやっぱりここオススメだわ。ベランダも広いし、何より日光がよく入ってくるのね。あとここ、屋上もあるのよ。屋上庭園になってるから綺麗よ〜！おばちゃん、住むなら絶対ここね。あとキッチンとか、お姉ちゃん気にしてたお風呂とトイレもちゃんとあるし」
不動産屋さんのマシンガントークで少し情報がパンクしそうになってきた。燈矢は少し寝かけてるし。
「あとはそうねぇ。部屋もマンションにしちゃ多いから、物置なり好きに使えるでしょ。どう、ここにする？」
『…じゃあ、一度見せてもらってもいいですか？』
「もちろんよ！お兄ちゃんごめんね、おばちゃんの話長かったわね」
「あー…大丈夫っす」
「じゃ、行きましょっか！」
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オペ - 無事に尊死…!!! (2022年10月20日 19時) (
レス) @page44 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
sizuku(プロフ) - 主さんのお話最高すぎます、泣！！面白いお話ありがとうございました！！ (2022年4月16日 21時) (レス) @page44 id: e0ce1464e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2021年5月16日 22時
