二十二杯目 ページ23
『疲れた…』
3日間ほど行われた事情聴取が終わり、ようやく家へと帰れる。3年ぶりの我が家。埃まみれになってるんだろうなぁ…。
「…行くぞ」
『迎えに来てくれてたの？ありがとう』
「当たり前だろ。また変な虫がつかねぇようにしなきゃな」
『つかないよ…帰ろっか』
「おう」
久しぶりに家付近を歩いた。特に景色は変わってなくて、いつも通りの景色に安心感を覚える。
「ここだっけか」
『そうそう。えっと…鍵は…あった。掃除手伝って』
「は？なんで俺が…」
『いいでしょ。…また引っ越そうかなぁ、この景色好きじゃないし』
「あー、あんな事もあったなァ」
『思い出させないで…』
家に入ると、やっぱり埃があって家空けてました感が凄い。
『よく泥棒とか入らなかったな…』
「こんなとこ、すぐ入れンのにな」
『だね。戸締り気をつけよう』
私は窓を開けて、雑巾やらモップやらの準備を始めた。
『燈矢はリビングの掃除お願いね。水場はやるから』
「ダルい」
『トイレ掃除が良かった？』
「…わかったよ」
掃除中、燈矢の今までの家事してなかった状況が凄く分かった。
これどうすんだよ、とか。
ここどう掃除すんの、とか…。
子を持つ親のような気分になった。
そして5時間という、長時間をかけて掃除を終えた。
「久しぶりにこんな疲れた…」
『動かないから、余計体が悲鳴あげてる…んー…ご飯コンビニので良い？』
「家にあるモンは」
『消費期限切れてる。買ってくるね』
私は薄い上着を羽織り、靴を履いた。
「俺も行く」
『疲れたでしょ？』
「夜歩かせられねぇだろ」
『優しいね』
「俺はいつも優しいだろ」
そう言って額と額をコツン、と合わせた。
『ご飯、何しよっか』
「魚以外」
『そういえば、魚嫌いって言ってたね。ダメだよ、ちゃんと食べなきゃ。栄養つけなきゃ』
「栄養？ついてる、ほら、見てみろ」
そう言って燈矢はマッチョの人がするようなポーズをとった。
『あはは、もう、何してんの』
「強そうだろ？」
『はいはい、行くよ』
私達は手を繋いで、いつもの日常に戻っていった。
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オペ - 無事に尊死…!!! (2022年10月20日 19時) (
レス) @page44 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
sizuku(プロフ) - 主さんのお話最高すぎます、泣！！面白いお話ありがとうございました！！ (2022年4月16日 21時) (レス) @page44 id: e0ce1464e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2021年5月16日 22時
