十九杯目 ページ20
ガチャ、という音がして目が覚めた。
どうやら寝てしまっていたらしい。
『おかえり』
「あぁ…見ろ、保須は大騒ぎだ…！」
これも、前に見た。
やっぱり、同じ事を何度も繰り返すんだな、と実感させられる。
『ちなみに、新聞とかニュースには載らないよ』
「…は？なんでだよ。俺らがこんなにも暴れたのにか？」
『暴れたのは脳無であって、死柄木達じゃないからね。…ヒーロー殺しの方に世間は目を向けるよ。前からニュースになってたんだし。残念だね』
「…」
死柄木はあからさまに不機嫌になり、首を掻き始めた。
『そんなことしたって変わらないよ。やめな、傷が増えるだけ』
私は死柄木の手を止めた。
「心配してんのか？…ハハ、嬉しいなァ」
やっぱり、この人は面倒。
『見苦しいってこと…怪我してるんだし、さっさと寝なさいよ』
「…そうする。黒霧、しっかりニュース見とけ」
「わかりました」
死柄木は奥の部屋に入ると、それ以来は出てこなかった。
「…すみません、喜多久。死柄木弔の面倒を見てもらって」
『いや…なんか、慣れました。まだ面倒だと思う事は多々ありますけどね』
「真田天成が言うには…貴方は死柄木弔と積極的に"仲良く"ならなければならないそうですが、そんな気は毛頭ないでしょう」
『バレてましたか』
「えぇ。…それに、貴方には目的があるのでしょう。ここにいるのはあくまでも目的を達成する為…目的が達成すれば、貴方はここを去るのでしょう？」
『…はい。私は、もう出来るだけ関わりたくないので』
「真田天成相手に嘘をつくなんて、貴方中々のお人で」
『ここに連れて来られた時から、私が見つかった時、敵連合にいくら協力しようが行方不明者として保護されるって思ってるので…。一般人って、こういう時楽ですよ』
「えぇ。私達敵とは全くの別世界です」
『そうですね。…そろそろ、私も寝ます。黒霧さんも寝れるうちに寝ておきましょう』
「そうしましょう。おやすみなさい、喜多久」
黒霧さんは、私の目的を知った上でここに置いている。死柄木のお守をするが、あくまでも私は一般人と割り切っているのだろう。
全く…こんな面倒見の良い人が近くにいるのに、なんであんな性格になるんだか。
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オペ - 無事に尊死…!!! (2022年10月20日 19時) (
レス) @page44 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
sizuku(プロフ) - 主さんのお話最高すぎます、泣！！面白いお話ありがとうございました！！ (2022年4月16日 21時) (レス) @page44 id: e0ce1464e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2021年5月16日 22時
