十杯目 ページ11
後日、私は普段通りに出勤していた。
死柄木弔からは、特に何かされるわけでもなくただただ普通の日々が過ぎていた。
果たしてあの死柄木弔が黙っているだろうか？
否、それはないだろう。
戦争までのヴィラン連合___異能解放軍については一番近くで見てきた。
そんな私を絶対に手に入れたいはず。
『…変なの』
そして、会社に着いた時だった。
「おい、どういうことだこれは！！！」
怒鳴り声が聞こえて来て、恐る恐る扉を開ける。
『どうかしました…？』
「柴胡！！これを見ろ！！」
上司のパソコンに届いていた一つのメール。
“この施設に爆弾を仕掛けた。ただの爆弾じゃない、施設はそのままに、人間だけに被害が及ぶ爆弾___。 このメールを読んだ24時間後、この爆弾を起動させる。
起動させたくなければ、柴胡喜多久を差し出せ。”
という、明らかに彼らが送りつけて来たメールがあった。
「お前、こいつらに何したんだ！？」
『何もしてないんですがね…』
ただ、ヴィラン連合が仕掛けたという爆弾__恐らく、しっかり設置されているだろう。
全く…いつまでもしつこい奴ら。
私は鞄を持ち直し、また会社の扉に手をかけた。
「柴胡！どこ行くつもりだ！！」
『どこって…このメールの送り主の所ですよ、私が行けば爆破されないんでしょう？それでは』
上司は訳の分からないような顔をして、立ち呆けていた。
また、ヴィラン生活か…。
『随分と嫌なことしてくれるじゃない、死柄木弔』
「お前が味方につくと色々都合がいいんだよ…。それにしても、来るのが早かったな」
『わざわざ躊躇う時間も勿体ない。どうせ近々貴方達が動き出すのはわかっていたし』
「はは…俺らのこと、よくわかってるな。やっぱり、真田の言う通りだ。お前は人生2度目ってこと」
『今度こそ普通に過ごすつもりだったのだけどね』
私はカウンターに腰をかけた。
『自己紹介は要らない。皆知っているもの。それに、数年後誰が仲間になって、誰が散っていくのかも』
「それだけでも対策になる。早く教えてくれよ」
『そう焦らないで。私が知っているのは3年後のこと。今のことじゃないの』
「前世、今頃のヴィランと接点はなかったのか？」
『残念ながらね。前世は社畜でしたので』
「ハハッ、ざまぁ」
『口の悪い子供…』
「誰が子供だ」
『貴方17歳でしょ。まだまだ子供よ』
「…」
『お酒の一つや二つくらい飲めたら対等に扱ってあげる』
「お前、やっぱ嫌いだ」
『そりゃどうも』
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オペ - 無事に尊死…!!! (2022年10月20日 19時) (
レス) @page44 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
sizuku(プロフ) - 主さんのお話最高すぎます、泣！！面白いお話ありがとうございました！！ (2022年4月16日 21時) (レス) @page44 id: e0ce1464e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2021年5月16日 22時
