佰参拾壱話 ページ35
次の日。
私とグレイ、スッパは明朝に家を発ち、城へと向かった。
城下町は相変わらずボロボロだった。
その元凶である私を、民は冷たい目で見た。
『…行きましょう、スッパさん、アストルさん』
グレイはそれを睨みつけ、私達を連れて足早に城へと向かった。
「…グレイさん！」
『ゼルダ様。大変お久しぶりでございます』
「えぇ、待っていましたよ。ここではなんですし、奥の部屋へどうぞ。…大丈夫です、私達以外誰も入れませんよ」
グレイはようやく少し安心したような表情をみせた。
『本題に入らせていただきます。この数ヶ月、観察対象の"アストル"ですが、特に異常は見られませんでした。能力の暴走、厄災の魂の片鱗が見られる事もなく、脈拍も異常なし。なのでっ…、』
グレイは椅子から勢いよく立ち上がった。
一息で言ったせいか、息が荒かった。
「グレイ殿、少し落ち着くでござる」
『す、すみません、スッパさん…』
「グレイさん。…グレイさんの考えていることを当てましょうか？」
『へっ』
「アストルさんが処刑されたら…とか」
『！！』
ゼルダはふふ、と笑った。
「安心してください。今回の観察というのは、再び戻って来たアストルさんが再び厄災に憑依されないか…という事のみです。また、アストルさんの体調の変化などといったのとのみ。グレイさんの気持ちはよくわかりますから」
『ゼルダ様っ…！』
グレイは目に涙を浮かべた。
「しかし、今後どうするか…ですよね。このままではアストルさんはここでは暮らしていけないでしょうし…」
私はとうとう、口を開いた。
「その件については考えがあります」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこ - いつも影から楽しく見させて頂いております<(_ _)>3章を続けていくのもとても気になります…が、個人的にyu→ruさんの恋情シリーズも見てみたいな〜、と思ったので、私は3を選ばせて頂きます。 (6月20日 16時) (
レス) @page7 id: 491a8dd465 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - シリーズ3作目おめでとうございます✨私は3章がどんなふうに続いていくのか気になるので1です！ (6月19日 6時) (レス) @page7 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yu→ru | 作成日時：2023年6月19日 1時
