佰弍拾陸話 ページ30
「…はっ、！」
私は飛び起きると、背中に嫌な汗をかいている事に気づいた。
あの時の夢だ。
厄災に取り込まれ、負の感情に侵されている時の…あの悍ましい感覚。
この歳にもなって暗闇からそのような連想をしてしまうなど、情けない。
息が荒かったのを、なんとかして心を落ち着かせ、正常の息遣いに戻した。
今からもう一度眠りに…とはいけなかった。
私は布団から出て、窓の外を見た。
今日の夜は星が一層輝いていた。
満月が高く昇り、月明かりが付近を照らして薄ら明るかった。
その明るさ故だろう。
私はあるものを発見した。
「あれは…」
暗闇から小さなあかりがポツポツと湧き上がり、こちらに近づいて来た。
だが、それは小さなあかりなどではなかった。
「…！」
それは、月明かりに照らされた魔物の目だった。
ただの赤ボコブリンならまだ幾分と良かった。
だが、今この家に迫ってきているのは白銀だった。
それも、7,8体ほど。
手には強靭な刃物が握られていた。
奴らの目には明らかな殺意が込められていた。
私は家の玄関に走って行った。
だが、今の私に何ができる？
あの水晶玉は消えてしまった。
今私に魔術を使えるほどの魔力は残っているのだろうか。
ここで…奴らを倒し、二人を…グレイを守る事はできるだろうか。
考えても仕方あるまい、何か秘策は思いつくだろうと、私は暗闇に飛び出した。
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ねこ - いつも影から楽しく見させて頂いております<(_ _)>3章を続けていくのもとても気になります…が、個人的にyu→ruさんの恋情シリーズも見てみたいな〜、と思ったので、私は3を選ばせて頂きます。 (6月20日 16時) (
レス) @page7 id: 491a8dd465 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - シリーズ3作目おめでとうございます✨私は3章がどんなふうに続いていくのか気になるので1です！ (6月19日 6時) (レス) @page7 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2023年6月19日 1時
