佰弍拾弍話 ページ26
『元々、私達は厄災ガノンの手によって呆気なくハイラルを明け渡す事になっていました。ですが、テラコによってそれは防がれた。つまり、本来の歴史とは書き換えられた世界、というのはゼルダ様に関わっているのなら知っている事実です。歴史の変革は、本来は起こってはいけないもの…。私が未来へ行って、この世界とはまた別の世界として形成されているのがわかりましたが、もし同じ世界なのだとしたら…』
「未来が変わる…という事でござるな?」
グレイは頷いた。
『もし今封印できたとて、未来はもっと強力なものが生まれてしまうかもしれない。だから、歴史はあるべき姿であらねばならない…理由は違えど、アストルの言い分もよくわかります』
「…グレイチャンがそう言うなら…まぁいいけどサ…」
『ま、それでも怒ってるのは怒ってます。ずぅぅぅーーーっっっと、あの日から怒ってます』
グレイは私をきっと睨みつけた。
「謝れば許されるのか?」
『その考えをしている限りは許しません。自分が何をして反省したのかちゃんとわかって、自分で納得してから謝りに来てくださいね!』
グレイはそう言うとサイカを連れ出して外に行った。
部屋には私とスッパだけが残された。
「何故…私が生きることを許されているのだろうか」
「拙者にはわからぬでござるよ。本来、貴様はあのまま厄災ガノンと共に消滅するはずの存在だった。だが…ゼルダ殿のご活躍とグレイ殿の気持ちにより、貴様は一命を取り留めた。その命、決して無駄にしないよう」
「グレイは…お前と婚約したのか」
「婚約というより、もう結婚は済んでいるで候」
「…そうか」
グレイ…どうして私を見捨てずにいるのだ。
貴様が一番恨むべき相手は私のはずなのに。
わからない。
やっぱり…私はお前のことがわからないよ。
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ねこ - いつも影から楽しく見させて頂いております<(_ _)>3章を続けていくのもとても気になります…が、個人的にyu→ruさんの恋情シリーズも見てみたいな〜、と思ったので、私は3を選ばせて頂きます。 (6月20日 16時) (レス) @page7 id: 491a8dd465 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - シリーズ3作目おめでとうございます✨私は3章がどんなふうに続いていくのか気になるので1です! (6月19日 6時) (レス) @page7 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年6月19日 1時