佰弍拾壱話 ページ25
「ん…」
なんだ、ここは。
眩しい。
そして…暖かい。
『目、覚めました?』
「…は」
私は勢い良く飛び起きた。
「何故貴様がここに…!それに、ここ、は…」
私は自らの手が…いや、体が存在していることに気がついた。
何故私は、取り込まれていない?
『ここは…まぁ、色々あって私の家です。話すとかなぁり長くなってしまいますが…』
どうやら、話を聞くと私は厄災ガノンから分離したらしい。
グレイは厄災ガノンと分離させた勇気ある者、そして私という罪人を復活させたという責任として私の観察、いわゆる監視をしろと命じられたらしい。
『まぁ…元々私が見る予定ではありましたが』
「何故…私を助けた。貴様、私を恨んでいるはずだろう?」
グレイは私を一瞥し、その小さな手をぎゅっと握った。
『恨んではないです。怒ってはいますがね。…私は、イーガ団が終わった時、心に誓ったのです。もう復讐をやめにすると。つまり、恨む行為も決して行わないように、と。復讐心は永遠に闘争を生みますからね』
私が知らぬ間に、グレイは随分大人びたらしい。
「拙者は怒りに塗れているがな」
『もう、スッパさん!この件はもう怒らないっていう約束じゃないですか!』
「しかし、その占い師殿をグレイ殿と共に置いておくのは気が気では…」
『大丈夫ですって!それに、あんまり怒ってると…』
家の廊下からドタバタと足音がこちらに向かってくる。
その足音の犯人がドアを勢い良く開けた。
「どういうことっすか、グレイチャン!」
『ほらぁ、サイカさん来ちゃったじゃないですか』
「何で俺がそんな厄介人みたいな…!それよりも!なんでこいつを庇うんすか!こいつはイーガ団を破滅に追い込んだ張本人じゃないすか、危険です!」
サイカ、と呼ばれるものは私を指差して睨みつけていた。
『…もう、二人とも落ち着いて。いい?こんな言い方するのは本人に納得されないだろうけど、厄災ガノンに裏切られてその身を滅ぼされたという点ではアストルも被害者です。それに、今だから…アストルの、未来を変えたくないという思想も分からなくはないんです』
「グレイ殿…」
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ねこ - いつも影から楽しく見させて頂いております<(_ _)>3章を続けていくのもとても気になります…が、個人的にyu→ruさんの恋情シリーズも見てみたいな〜、と思ったので、私は3を選ばせて頂きます。 (6月20日 16時) (レス) @page7 id: 491a8dd465 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - シリーズ3作目おめでとうございます✨私は3章がどんなふうに続いていくのか気になるので1です! (6月19日 6時) (レス) @page7 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年6月19日 1時