佰拾壱話 ページ15
『そう、ですかね?』
私は少し笑ってみせた。
コーガ様は私をゆっくり見ると、再度確信したように頷いた。
「やっぱお前はお前だな。何も変わってねぇ」
『…この時代の私は、いつ亡くなったんですか?』
「俺様に全てを教えた時だ。次の日、パタリと倒れてそのまま、な。でも、幸せそうな顔してたぜ?やっと旦那のとこに行けるって」
『…そう、ですか』
時代が違えど、私とスッパさんが一緒であったこと。
その事実に対して、私はすごく嬉しく感じた。
「お前ら、そこで盗み聞きするな!もっとこっち来い!」
コーガ様が手招きをした方向を見てみると、そこには大量の構成員と幹部達がこちらを見ていた。
「す、すみません。盛り上がってる中悪いかと思って」
「何、お前らも昔のイーガ団が気になんだろ!今のうちしかねぇからな!グレイを寂しがらせないようにするぞ!」
皆がおー!と叫び、私はその光景に思わず笑ってしまった。
仲間のこととなると、必死になってしまう。
コーガ様も、どんな時代であろうが変わりない人なんだとわかった瞬間だった。
「それにしても、スッパ?は良い嫁もったな!俺様も欲しいくらいだ」
『ちょっとコーガ様、いけませんよ!』
「わーかってる!…お前は、あの男とが一番お似合いだぜ。おしどり夫婦、なんて書かれてたしな」
『お恥ずかしい…』
「でも、自分もグレイさんとお話したことがありますが、凄く聡明な方でした」
「お話が上手で、イーガ団の母…って感じでした」
「そんなグレイさんの若き頃が今目の前にいる…」
「グレイさんがおばあちゃんになっても、ずっと綺麗なままですよ!」
一気に皆に話しかけられ、私は戸惑ってしまった。
「一気に話しかけるな!グレイが困ってんだろうが」
コーガ様がピシャリというと、皆しゅんとしたようにうずくまった。
『そんなにきちんとしなくて大丈夫ですよ。イーガ団は家族だと教えてくださったのはコーガ様ですから』
それにしても、こっちの私も随分働いていたようだ。
姫とは関わりなく亡くなったが…それもこちらでは運命であったのだろう。
『今度は、こちらの時代のお話を聞かせてください。色々、帰ったらお話したいですから』
そうして、私達の時代トークはどんどん花を咲かせていった。
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ねこ - いつも影から楽しく見させて頂いております<(_ _)>3章を続けていくのもとても気になります…が、個人的にyu→ruさんの恋情シリーズも見てみたいな〜、と思ったので、私は3を選ばせて頂きます。 (6月20日 16時) (レス) @page7 id: 491a8dd465 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - シリーズ3作目おめでとうございます✨私は3章がどんなふうに続いていくのか気になるので1です! (6月19日 6時) (レス) @page7 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年6月19日 1時