検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:2,793 hit

佰拾壱話 ページ15

『そう、ですかね?』

私は少し笑ってみせた。

コーガ様は私をゆっくり見ると、再度確信したように頷いた。

「やっぱお前はお前だな。何も変わってねぇ」

『…この時代の私は、いつ亡くなったんですか?』

「俺様に全てを教えた時だ。次の日、パタリと倒れてそのまま、な。でも、幸せそうな顔してたぜ?やっと旦那のとこに行けるって」

『…そう、ですか』

時代が違えど、私とスッパさんが一緒であったこと。

その事実に対して、私はすごく嬉しく感じた。

「お前ら、そこで盗み聞きするな!もっとこっち来い!」

コーガ様が手招きをした方向を見てみると、そこには大量の構成員と幹部達がこちらを見ていた。

「す、すみません。盛り上がってる中悪いかと思って」

「何、お前らも昔のイーガ団が気になんだろ!今のうちしかねぇからな!グレイを寂しがらせないようにするぞ!」

皆がおー!と叫び、私はその光景に思わず笑ってしまった。

仲間のこととなると、必死になってしまう。

コーガ様も、どんな時代であろうが変わりない人なんだとわかった瞬間だった。

「それにしても、スッパ?は良い嫁もったな!俺様も欲しいくらいだ」

『ちょっとコーガ様、いけませんよ!』

「わーかってる!…お前は、あの男とが一番お似合いだぜ。おしどり夫婦、なんて書かれてたしな」

『お恥ずかしい…』

「でも、自分もグレイさんとお話したことがありますが、凄く聡明な方でした」

「お話が上手で、イーガ団の母…って感じでした」

「そんなグレイさんの若き頃が今目の前にいる…」

「グレイさんがおばあちゃんになっても、ずっと綺麗なままですよ!」

一気に皆に話しかけられ、私は戸惑ってしまった。

「一気に話しかけるな!グレイが困ってんだろうが」

コーガ様がピシャリというと、皆しゅんとしたようにうずくまった。

『そんなにきちんとしなくて大丈夫ですよ。イーガ団は家族だと教えてくださったのはコーガ様ですから』

それにしても、こっちの私も随分働いていたようだ。

姫とは関わりなく亡くなったが…それもこちらでは運命であったのだろう。

『今度は、こちらの時代のお話を聞かせてください。色々、帰ったらお話したいですから』

そうして、私達の時代トークはどんどん花を咲かせていった。

佰拾弍話→←佰拾話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ねこ - いつも影から楽しく見させて頂いております<(_ _)>3章を続けていくのもとても気になります…が、個人的にyu→ruさんの恋情シリーズも見てみたいな〜、と思ったので、私は3を選ばせて頂きます。 (6月20日 16時) (レス) @page7 id: 491a8dd465 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - シリーズ3作目おめでとうございます✨私は3章がどんなふうに続いていくのか気になるので1です! (6月19日 6時) (レス) @page7 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:yu→ru | 作成日時:2023年6月19日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。