佰拾話 ページ14
「やっぱお前のとこもコーガっているのか?」
『はい、いらっしゃいますよ。初め、貴方とお姿が大変似ていらしたので、同一人物にお会いしたのかと思いました』
「へぇ〜」
『コーガ様の事は大変尊敬していますよ。仲間のピンチに必ず駆けつける人ですから』
「やっぱ100年前の俺様も最強なんだな!」
『はい。…この時代には、右腕のような者はいないのですか?』
「俺様の右腕になれる奴なんかそうそういないだろ!…あぁ、でも」
コーガ様は宙を見つめると、ぽつりと話し始めた。
「先代コーガの手記に、たしかいた気がするな。名前はなんていったか…す…す…」
『もしかして…スッパ、という名でしたか?』
「そうそう!スッパだスッパ!たしかスッパには嫁がいたな…確か名は…グレイ…グレイ?」
コーガ様は私をバッと見ると、驚いたようにのけ反った。
「お前、あん時のババアか?!」
『あの時…?とはわかりませんが…』
「俺の教育係だったんだぞ!まぁ、優しかったけどな」
どうやら話を聞くと、彼が次のコーガ様になるにあたって、当時の私が教育係をしていたらしい。
『その時、スッパはいなかったのですね』
「確か亡くなったって聞いたな。病死だった…あ?!わ、悪い、そんなつもりで言ったんじゃねぇぞ!」
『はい、存じておりますよ』
「…お前んとこのスッパは、長生きするだろ。話聞く限りだと、病にかかる要素ないし」
『と、申しますと?』
「俺様は確かに厄災を崇拝してる。現に、ほら、あれ見てみろ」
私は高台に登らされて、ハイラル城の方を見た。
「見覚えあるはずだ」
『厄災、ガノン…』
ハイラルが赤黒く染まり、いつかの景色のようだった。
「こっちの時代のスッパは、あれに近づき過ぎた。そのせいで不治の病にかかって、そのまま死んだ。崇拝するといっても、近づくには限りがある。俺様はそう思ってる!」
『この時代と、私が生きた時代では…全く別のように感じます』
「そっちでは厄災がないんだろ?俺様からしたらそれはすごぉく嫌な事だが…まぁそっちの俺様が納得してるんならしょうがねぇ!…でも、お前とこっちのお前とでは被るとこも色々あるぜ?」
コーガ様は鼻を擦った。
「話し方はまんまだな。少し懐かしさを感じちまった。あとは…出立ちとか。あんまあのババアにこんな事言いたかねぇが…凛としてるぜ、お前」
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ねこ - いつも影から楽しく見させて頂いております<(_ _)>3章を続けていくのもとても気になります…が、個人的にyu→ruさんの恋情シリーズも見てみたいな〜、と思ったので、私は3を選ばせて頂きます。 (6月20日 16時) (レス) @page7 id: 491a8dd465 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - シリーズ3作目おめでとうございます✨私は3章がどんなふうに続いていくのか気になるので1です! (6月19日 6時) (レス) @page7 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年6月19日 1時