伍拾捌話 ページ9
『アス………トル……』
アストルは私に歩み寄り、私の側で膝をついて座った。
「あぁ、可哀想に…」
アストルは私の首の後ろに手を入れ、私の上体を起こした。
「ふふ、私はその顔が見たかったのだよ。その絶望に満ちた顔がね」
アストルは片方の手で私の頬を愛おしそうに撫でた。
「今なら間に合う。私と共に来る事を誓え。そうしたならばお前の傷も治してやろう。お前が望むなら、イーガ団で過ごした記憶も消そう」
アストルは私の唇を撫でた。
『はは……絶対に、嫌だ……』
私はその撫でている指を、力無く噛んだ。
僅かな抵抗だ。
こんな事をしたって、勝てるわけじゃないけど。
「最期まで意地らしくあるな、グレイ…余計愛おしくなるではないか」
アストルはいつかのように、私に口付けをした。
(最期にするなら…スッパさんが良かったなぁ…)
私は何度も唇を重ねられた。
血の味が口中に広がる。
「死ぬ前に…ガノンの生贄になってもらおう。ただの贄ではない。心も、体も…！全て捧げた贄だ。そうすれば、私とグレイはいつまでも共にいられる。素晴らしいとは思わないか？」
アストルは声高らかに笑った。
『はぁ、はぁ、ぅぐ…』
私は痛みに顔を歪ませ、その場に蹲った。
「あぁ、痛いのだろう？大丈夫だ…私が救ってやる」
アストルは、私に手を翳した。
(もっと…生きたかったなぁ)
もっと世界を見たかった。
もっと色んな人に会いたかった。
もっと、イーガ団の皆と…コーガ様と…
スッパさんと。
もっともっと、皆で過ごしたかった。
私は痛みによるものか、恐怖によるものなのかわからない眩暈に襲われる。
もう体内の血液も少ないのだろう。
私はゆっくりと目を閉じた。
私の目から、涙が一粒、流れ落ちた。
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yu→ru(プロフ) - ゆたんぽさん» 途端に出てきたオリキャラについての感想ありがとうございます…！笑 めちゃくちゃオリジナルストーリーなので批評とか少し怖かったのですが、めちゃありがたいです…！😆 (6月19日 1時) (
レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - サイカが呪いを解くまでのストーリーが好きすぎます…😭 (6月19日 0時) (レス) @page50 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆたんぽさん» すみません〜、ちょっとバタバタしていて…笑まだまだ続きますよぉ〜〜〜！！！😆 (6月3日 19時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - 2日ぶりの更新！やっと正式にくっ付きましたね！！嬉しすぎて発狂しました…wこれからも更新頑張ってください！！！ (6月3日 0時) (レス) @page22 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆたんぽさん» いつもコメントありがとうございますぅ…！！！できるだけ毎日投稿をしてるので是非読んで下さると私が泣いて喜びます…😇 (5月25日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2023年5月21日 0時
