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玖拾壱話 ページ43

私達はリーバル様とミファー様の護衛があって、なんとかハイラル城まで逃げる事ができた。

そういえば、スッパさんもここに来ているんだったか。

この傷の事をなんと説明しようか。

「グレイ殿ッ!!」

先に城へ入って行った二人から事情を聞いたのだろう。

スッパさんが尋常ではない速度でこちらへ走り寄って来た。

「スッパはやい!」

「グレイ殿、怪我…は…」

私の服に滲む血液を見て、スッパさんは絶句していた。

あらかじめ応急処置は施してきたが、それでも血が止まる事はない。

少しずつだから大丈夫だが、これがこのまま続けば死に至る。

『スッパさん…ちょっと、食らっちゃいました』

皆の怪我の様子からしても、フーマ軍に惨敗した事は明らかである。

「拙者は…また、守れなかった…」

スッパさんはその場に座り込んだ。

「面目ない………!!」

『大丈夫ですよ。私はまだまだ生きられます!早くあいつらをとっちめて、皆の怪我を治しましょう?』

私も同じようにその場にしゃがみこみ、スッパさんと目を合わせた。

「拙者は…いつも格好が付かぬでござるな」

彼は自嘲するようにそう吐き捨てた。

『そんな事ないです。スッパさんはいつもかっこいいですよ?』

私は彼の頬に手を添え、キスをした。

「はぁ…スッパ、おまえ女房の尻に敷かれてるじゃねぇか!しっかりしろ、な?」

コーガ様がスッパさんの背中をばしばしと叩いた。

その時、部屋の戸を強く叩く者がいた。

「グレイ様!」

『モエギさん』

モエギさんは私達の容態を見て、遅かったか、と呟いた。

「大丈夫です、皆まだ助かります…!先日、私の分身をアジトに向かわせました」

「ということは…まさか…!」

「…アジトの場所が、判明しました」

その場にいた者全員がざわつき始めた。

「しかし、私が裏切った事も、分身を向かわせたのも、全てバレてしまいました。私が…いつ消えても大丈夫なように、先に報告に参りました」

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yu→ru(プロフ) - ゆたんぽさん» 途端に出てきたオリキャラについての感想ありがとうございます…!笑 めちゃくちゃオリジナルストーリーなので批評とか少し怖かったのですが、めちゃありがたいです…!😆 (6月19日 1時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - サイカが呪いを解くまでのストーリーが好きすぎます…😭 (6月19日 0時) (レス) @page50 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆたんぽさん» すみません〜、ちょっとバタバタしていて…笑まだまだ続きますよぉ〜〜〜!!!😆 (6月3日 19時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - 2日ぶりの更新!やっと正式にくっ付きましたね!!嬉しすぎて発狂しました…wこれからも更新頑張ってください!!! (6月3日 0時) (レス) @page22 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆたんぽさん» いつもコメントありがとうございますぅ…!!!できるだけ毎日投稿をしてるので是非読んで下さると私が泣いて喜びます…😇 (5月25日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年5月21日 0時

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