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伍拾壱話 ページ2

私は急いで城下町まで降りてきた。

辺りの空は真っ赤に染まり、国が管理していたはずのガーディアンが、それも大量に国民を襲っていた。

女性の悲鳴、子供の泣き声。

今までの秩序がなかったかのように辺り一面は混沌としていた。

「ままぁー!!ままぁあぁああ!!!!」

母親を呼ぶ子供の声が聞こえた。

そちらの方を向くと、子供の足が瓦礫に挟まれ、身動きが取れない様子だった。

その後ろから、レーザーの音が聞こえる。

「ひっ…」

子供の額に照準を合わせられ、子供はついに泣く事をやめた。

『はぁぁぁぁ!!!』

私はビームが撃たれる前に目にクナイを命中させ、瓦礫を退かした。

「おねぇちゃ、こわいよぅ…!!」

ガーディアンは今は倒れているが、次いつ起き上がってくるかわからない。

それに、更に魔物の群れが襲いかかってきている。

『いい、大人について行くんだよ。後ろを振り返っちゃダメ。きっと、その先にお母さんはいるから』

「お姉ちゃんは、お姉ちゃんも逃げなきゃ!お姉ちゃんもママがいるんでしょ?」

私は一瞬、言葉に詰まった。

この幼い子に、なんと説明したら良いか。

『大丈夫。私のお母さんも避難してるから。だから早く』

私は子供の背中をトン、と押した。

子供は私の言うとおりに走り出した。

私は魔物の群れの方へ行く。

まだ逃げ遅れている人がいた。

次々に湧いて出てくるボコブリンやモリブリン達を倒し、この地域一帯は逃げ切れただろう。

「ありがとう、そこの方…貴方、」

ふっ、と振り返ると、その男性は髪が白く耳が丸い。

「貴方も、シーカー族なのですね。…不甲斐ないです」

シーカー族はカカリコ村に住んでいると聞いた。

恐らくハイラル人と結婚し、この街に住んでいたのだろう。

『いいから、早く』

「…ありがとう」

彼は私がイーガ団であることに気がついたら…きっと、ありがとう、なんて言わなくなるんだろう。

そう思いながら、私は二人の影を探した。

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yu→ru(プロフ) - ゆたんぽさん» 途端に出てきたオリキャラについての感想ありがとうございます…!笑 めちゃくちゃオリジナルストーリーなので批評とか少し怖かったのですが、めちゃありがたいです…!😆 (6月19日 1時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - サイカが呪いを解くまでのストーリーが好きすぎます…😭 (6月19日 0時) (レス) @page50 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆたんぽさん» すみません〜、ちょっとバタバタしていて…笑まだまだ続きますよぉ〜〜〜!!!😆 (6月3日 19時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - 2日ぶりの更新!やっと正式にくっ付きましたね!!嬉しすぎて発狂しました…wこれからも更新頑張ってください!!! (6月3日 0時) (レス) @page22 id: dbdf82a303 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆたんぽさん» いつもコメントありがとうございますぅ…!!!できるだけ毎日投稿をしてるので是非読んで下さると私が泣いて喜びます…😇 (5月25日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年5月21日 0時

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