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肆拾陸話 ページ47

「私を見下しているような顔も嫌いだ。腹立たしくてしょうがない」

『急に何を、』

腕を顔の上で交差させ、更に力を入れられるものだから頭に顔を顰める。

「だから、私は貴様が一番嫌がる事を考えた」

アストルは先程のような怒っているような顔とは違い、悪い顔で笑っていた。

『な、何…』

「貴様らの恋路を邪魔する事だ」

アストルがそう言った瞬間、彼は私の顔をぎゅっと掴み、そのまま…

『…?!』

口付けをした。

『いや、んんっ…!!』

ジタバタ抵抗するが、突然の事に上手く力が入らない。

顔を背けようとしても、彼の手がそれを制する。

口の中にぬるりとした感触が走る。

初めての感覚で、背筋がゾワゾワする。

嫌だ、嫌だ、嫌だ…!

『嫌っ!!!』

私は何とか彼を突き飛ばし、よろめいてその場に座り込んだ。

『なんて事を………!!!』

アストルは袖で口を拭った。

「初めて、なのだろう?」

アストルが更に近づいてこようとする。

私は何とか這いずって、勢いに乗って立ち上がり、術を使ってその場から逃げ延びた。

『どうしよう…』

私はその場に座り込み、目から溢れ出る涙を拭う。

『スッパさんに、顔向けできないよ…』

好きだって、伝えようとしてたのに。

ずっと一緒にいたいって、伝えようとしてたのに。

『うぅっ…こんなの、あんまりだよ…!』

私はアジトを背にして走り出した。

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アッキー - 初めまして!スッパ夢見させて頂きました!凄く面白かったです!Twitter(X)もフォローさせて頂きました!アッキー@×OSP&T.K.familyというアカウントなので是非フォローしてくれると幸いです!無理なら構いません。 (11月25日 11時) (レス) @page27 id: 9a164c919b (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひえぇ…コメありがとうございます…!! (5月15日 0時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 恋心の利用は辛いですよね…この小説本当に感情移入ができるのが良すぎて泣きそうです… (5月14日 23時) (レス) @page36 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひゃああ!ありがとうございます!!!😭 (5月10日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - めっちゃウズウズしますね🥰最高すぎます!! (5月10日 22時) (レス) id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年5月4日 23時

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