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参拾肆話 ページ35

「じっと見張っていろ。そろそろ、ゼルダ姫がやって来るはずでござる」

私達はゼルダ姫一行が、神獣の元へ行くという情報を入手した。

よって、この村を通って行くだろうと目星を立てて、待ち伏せしている最中だ。

『ここで仕留めましょう』

私は玲瓏刀を握り、姿が現れるのを待った。

すると、遠くから話し声が聞こえて来る。

(…来た!)

私達は前後にしか道がないその瞬間を狙って挟み撃ちにした。

「…此度こそ、消えて貰うでござるよ」

スッパさんがそう言うと、一斉に彼らに切り掛かった。

相手の方が人数は少ない。

人数有利の今、一気にかかって叩きのめせば任務は確実に終わる。

そう確信していた私を、私達にとっての闇…すなわち、ゼルダ姫にとっての光がそれを打ち砕いた。

「はぁぁぁ!」

切り掛かってきたイーガ団を盾で弾き返し、その隙に剣を振り一網打尽にしている男がいた。

『アイツが…!』

何度か耳にはしていた。

ハイリア人の、幼き時から剣技を学び、ゼルダ姫御付きの騎士になった…

『リンク…!!』

私がそう言うと、彼は私を一瞥した。

私では、相手にならぬというのか?

『舐めないでもらいたいねっ!!!』

私はそう言って団員の背後から背後へ伝い、リンクの背後までやってきた。

この間合いなら、仕留められる。

そう剣を振り翳した時だった。

「!!」

『がっ!!?』

盾が私の鳩尾に入り、私は飛ばされて壁に強く背を打った。

『ぐ…』

先程の衝撃で、吐き気が催される。

目の前がぼぅ、として焦点が定まらない。

団員もたくさんやられた。

早くしないと、負ける。

「斬り捨て御免!!」

スッパさんがリンクを捉えた。

激しい剣の交じり合いが目の前で繰り広げられている。

『スッパさ…』

「黙ってなグレイ、喋ると吐いちまうぜ」

私は団員に身を預け、戦場から退いた。

『くそ…』

勝てると、思ったのに。

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アッキー - 初めまして!スッパ夢見させて頂きました!凄く面白かったです!Twitter(X)もフォローさせて頂きました!アッキー@×OSP&T.K.familyというアカウントなので是非フォローしてくれると幸いです!無理なら構いません。 (11月25日 11時) (レス) @page27 id: 9a164c919b (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひえぇ…コメありがとうございます…!! (5月15日 0時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 恋心の利用は辛いですよね…この小説本当に感情移入ができるのが良すぎて泣きそうです… (5月14日 23時) (レス) @page36 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひゃああ!ありがとうございます!!!😭 (5月10日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - めっちゃウズウズしますね🥰最高すぎます!! (5月10日 22時) (レス) id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年5月4日 23時

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