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肆話 ページ4

『これか、例のムクロジは…』

父が譲ってくれた古い図鑑に載っていたものとそっくりだった。

特徴等も一致しており、これがアッカレムクロジであるということは間違いないだろう。

私はムクロジの生え方、生えている土の種類をメモ帳にまとめて、2,3個ほど採取し瓶に詰め、種子は袋に詰めた。

出発してからまだそう日にちは経っていない。

そう遠くないうちに家には帰れるだろう。

私は足取り軽やかにヘブラ地方へと向かった。


ヘブラ地方はやはり寒く、厚着しただけでは足りなかった。

途中で薬を買っていて正解だった。

ヘブラツバキなんてどこにあるのだろうか。

赤いというか、桃色というか…そんな感じの花だとはわかっているが、この雪の中だ、そう簡単にわかるわけがない。

「おーい、そこの君!そんなところで何をしているんだ!」

どこからともなく声をかけられる。

私は声の主を探すが、辺りには誰もいない。

「上だよ、上!」

私はそう言われてはっと顔を上げると、そこには花の生えた種族…リト族がいた。

「こんな雪の中、女の子一人で危ないだろう、何をしているんだ?」

『ヘブラツバキというものを探していて…こんなものなんですけど』

私はリト族の彼に図鑑を見せた。

「あぁ、この花…どこかで見たことあるな。山の麓とかによく咲いているイメージがある。でも今日行くのはやめておいた方がいい、今夜は吹雪になるぞ。そこでだ。リトの村に泊まりに来るのはどうだい?」

『吹雪の中探すのは嫌ですね…そうですね、案内をお願いします!』

「任された!僕の名はファインだ、よろしく」

『グレイと申します!』

「このまま帰る途中だったんだ、背中に乗せてあげるよ。ほら、きなよ!」

『え、いいんですか…?多分重いと思いますよ…?』

「なに、リト族の筋肉を人間の筋肉と一緒だと思わないでほしいね!君は体格も良い方じゃないんだ、軽々と持ち上げられるさ」

『じゃあ、お願いします…』

「しっかりと捕まっているんだよ!」

そういうと、彼はばっと飛び上がった。

『怖い!!』

「話してると舌を噛むよ!」

ひんやりとした空気が顔にあたる。

しかし、それも次第に優しい空気に変わっていく。

私は恐る恐る目を開けた。

『うわぁ…!綺麗…』

目の前にはリトの村、それを取り巻く大自然…初めて見た美しさに、思わず息を呑んだ。

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アッキー - 初めまして!スッパ夢見させて頂きました!凄く面白かったです!Twitter(X)もフォローさせて頂きました!アッキー@×OSP&T.K.familyというアカウントなので是非フォローしてくれると幸いです!無理なら構いません。 (11月25日 11時) (レス) @page27 id: 9a164c919b (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひえぇ…コメありがとうございます…!! (5月15日 0時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 恋心の利用は辛いですよね…この小説本当に感情移入ができるのが良すぎて泣きそうです… (5月14日 23時) (レス) @page36 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひゃああ!ありがとうございます!!!😭 (5月10日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - めっちゃウズウズしますね🥰最高すぎます!! (5月10日 22時) (レス) id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年5月4日 23時

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