弍拾弍話 ページ22
私達はアジトの、一番空に近い場所に腰を下ろした。
砂漠の中の夜空は街の灯りなどが一切届かなく、星が散りばめられた美しい空だった。
「グレイ殿がイーガ団に身を置き始めてから早1年…様々な事があったでござるな」
『そうですねぇ…』
「…グレイ殿は、良かったのでござるか？」
『え？何がですか？』
「父の元から身を離れ、イーガ団で生活すること…でござる。拙者は…初めはコーガ様の命通りに見張りをして、コーガ様がお喜びになられるのであったらそれで良かったと思っていたで候。しかし…グレイ殿と暮らしていく内…拙者も、コーガ様も、皆…絆されてしまったようでござる。グレイ殿は、ここにいたいのであろうか…父の住む家に戻りたいのではないのだろうか…そう思い始めたでござる」
スッパ様は顎を使って後ろを指した。
後ろには、コーガ様を中心としたたくさんのイーガ団がいた。
「グレイ殿は…元住む家に戻りたいでござるか？」
『戻りたかったら、そう言いますよ。私は内緒事をしておくほど賢い女ではありません。今は…イーガ団での暮らしが本当に楽しいと思っています。やっぱり当初は不安だらけで、生きていけるのだろうか、と思っていましたけども。皆さん、優しくしてくれるじゃありませんか。私はそれが、とても嬉しいのです。友達などがいなかった…家族が一人しかいなかった私にとって、ここが第二の家だと思うほどには、私も絆されているのでしょうね』
私は思っていることを洗いざらい話した。
スッパ様はそれを黙って聞いていた。
「そうでござるか。…なら、良かったでござる」
仮面があって表情は読めないが、ほっ、と安心したような雰囲気を醸し出したスッパ様に、私は思わず笑ってしまった。
『私はずっとここにいますよ。今更前には戻れやしませんしね』
「それもそうでござるな。…グレイ殿。一つ拙者の願いを聞いては下さらぬか？」
『？なんでしょう』
「グレイ殿との距離も近くなった故、その様付けを取りやめてほしい所存でござる」
『…え！スッパ様とお呼びしないのならなんとお呼びすれば…？』
「グレイ殿の好きに呼んでほしいでござる。グレイ殿はもう、拙者達の仲間でござるから」
『…わかりました。では、スッパさん！流石にさん付けはお許しを。何せ皆歳上ですから』
「構わんでござるよ。…これからもよろしく頼みたい、グレイ殿」
『こちらこそ！』
夜空の星は、さっきより幾分ときらきら輝いているように思えた。
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アッキー - 初めまして！スッパ夢見させて頂きました！凄く面白かったです！Twitter(X)もフォローさせて頂きました！アッキー@×OSP&T.K.familyというアカウントなので是非フォローしてくれると幸いです！無理なら構いません。 (11月25日 11時) (
レス) @page27 id: 9a164c919b (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひえぇ…コメありがとうございます…！！ (5月15日 0時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 恋心の利用は辛いですよね…この小説本当に感情移入ができるのが良すぎて泣きそうです… (5月14日 23時) (レス) @page36 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひゃああ！ありがとうございます！！！😭 (2023年5月10日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - めっちゃウズウズしますね🥰最高すぎます！！ (2023年5月10日 22時) (レス) id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2023年5月4日 23時
