拾肆話 ページ14
「よし、これからはここに住むんだぞ!」
コーガ…いや、コーガ様はそう言ってアジトを案内した。
近くにはスッパ様もいて、何か問題を起こさぬようにと私を見ていた。
私はアジトを見てふと思ったことがある。
『砂漠の近くにあったはずなのに、布団だとか、訓練所だとか、設備がちゃんとしてあるんですね。初代イーガ団達は凄く頑張ってここを作ったんですね。だって岩山をくり抜いて作ったアジトでしょう?そう簡単には完成しませんよ』
「お前変なとこ見るな…まぁいい。ヴァーリンとの約束通り、野郎の近くには置かないようにする。でも空き部屋がねぇんだよなぁ…あ!」
コーガ様は何か閃いたように人差し指を天に突き上げた。
「スッパの部屋に敷布団が余ってたよな?それを使え!」
「な、なんと?!」
『相部屋ですか?!!』
私はスッパ様と顔を見合わせた。
「コーガ様いけませぬ、そのような…」
「スッパなら手とか出さねぇだろ。いや別に恋仲になったなら俺様は許可するぜ?」
「絶対有り得ませぬ!」『絶対ないです!!』
私とスッパ様の声が被さった。
『…まぁ、別に構わないですけど…私の家も部屋とかなかったので、あるだけありがたいです…』
「嫁入り前の女子がそのような事を…!」
『大丈夫です。スッパ様ですし…なんていうんでしょう?勘がそう言ってます。なので大丈夫です!』
「…いや俺様が言うのはなんだけど、お前年端もいかない女のくせに図太い神経してんな。普通親が死んだとか色々聞いたら泣くもんだと思ってたけどよ」
『…お母さんの話は、一回もされたことがないんです。だからハリス…という名前を初めて聞きましたし、どんな人かも知りません。お父さんは…私に全てを隠してましたね。私の髪は皆と違って何故白いのか聞いても答えてはくれませんでした』
「難儀なこったなぁ。ま、ここでは普通に過ごせよ」
『ところで…何故私をここに?暗殺とかならもっとこう…筋肉がついた男性の方が良いと思うのですが…』
「俺様は別に暗殺させる為にお前ちゃんをここに残したんじゃないぜ?普通にイーガ団に花が欲しかったからだ!」
『…はな?花って、あの花ですか?』
「そのままの意味でござろう…漢まみれの中に女性という花が欲しかった…でござろう?」
「そのとーり!」
なんだか、びくびくして損した気分だ。
『えぇっと…じゃあ、今日からよろしくお願いします…?』
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アッキー - 初めまして!スッパ夢見させて頂きました!凄く面白かったです!Twitter(X)もフォローさせて頂きました!アッキー@×OSP&T.K.familyというアカウントなので是非フォローしてくれると幸いです!無理なら構いません。 (11月25日 11時) (レス) @page27 id: 9a164c919b (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひえぇ…コメありがとうございます…!! (5月15日 0時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 恋心の利用は辛いですよね…この小説本当に感情移入ができるのが良すぎて泣きそうです… (5月14日 23時) (レス) @page36 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひゃああ!ありがとうございます!!!😭 (2023年5月10日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - めっちゃウズウズしますね🥰最高すぎます!! (2023年5月10日 22時) (レス) id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年5月4日 23時