拾参話 ページ13
その3ヶ月後。
一般村民に変装したイーガ団と父が帰ってきた。
「…完治、したそうだ。手術は無事成功だって…」
父は悲しげにそう伝えた。
私は父の手を取って喜んだ。
『良かった…じゃあ、長生きできるんだね…!!』
目からぽろぽろと涙が溢れ出してくる。
「ずっと…不安にさせてしまっていたのだな、私は。すまなかった、グレイ」
『いいの、お父さん…無事なら、それで…』
「あー、感動の再会のとこ悪いが。そろそろ、な?俺様達の身がバレたら良くないからな?」
「…娘に何かあったら承知しないぞ、コーガ」
「逆に王家にチクったりすんなよ、ヴァーリン。お前の病気を治したのはイーガ団の協力あってこそだ!」
コーガが行くぞ、と私を手招きした。
「グレイ!」
父が私に駆け寄る。
「これを持って行きなさい。私の本だ…生きていくには必要な知識を沢山書き込んである。一人でも…ちゃんと生きるんだぞ」
『わかってるよ、お父さん。…私がいなくても、元気でね』
私は本を受け取り、鞄にしまった。
恐らく…今日これっきりで父には会わないだろう。
しかし、イーガ団には頭が上がらない状態になってしまった。
有言実行、決めた事はやり抜く。
今までそうだったであろう?
(腹を括らなきゃ)
こうして、私のイーガ団での生活が幕を開けたのであった____。
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アッキー - 初めまして!スッパ夢見させて頂きました!凄く面白かったです!Twitter(X)もフォローさせて頂きました!アッキー@×OSP&T.K.familyというアカウントなので是非フォローしてくれると幸いです!無理なら構いません。 (11月25日 11時) (レス) @page27 id: 9a164c919b (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひえぇ…コメありがとうございます…!! (5月15日 0時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 恋心の利用は辛いですよね…この小説本当に感情移入ができるのが良すぎて泣きそうです… (5月14日 23時) (レス) @page36 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひゃああ!ありがとうございます!!!😭 (5月10日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - めっちゃウズウズしますね🥰最高すぎます!! (5月10日 22時) (レス) id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yu→ru | 作成日時:2023年5月4日 23時