拾弍話 ページ12
『お父さんの…病気を治したい』
「お前はその為に働いてるんだろ？」
コーガはふっふっふ、と笑うと、目の前に大量のルピーを落とした。
『なっ…？！』
「ここにあるのは10万ルピーだ！」
「コーガ様！良いのでござるか？！」
「構わん、見返りは大きい。そうだろ？グレイ」
『で、でも…そんなの、信じられるわけ…』
「お前ら、連れて来い！」
コーガが幹部達を呼ぶと、目の前にばさっ、と何人か現れ、その中心には…。
『お父さん…？！』
「グレイ！」
『お父さんを離して！』
「乱暴なんかしてねぇぞ！な、ヴァーリン？」
「娘には手を出すな、頼む…！」
「全く！親子共々話を聞かんな！」
コーガはぷりぷりと怒っていた。
再び椅子に座り直すと、冷静な声で告げた。
「俺らイーガ団はお前の父親の病気を治してやる。このルピーでハテノ村の医者の所に行くと良い。ただし！病が無事に治ればグレイはここに残ってもらう。どうだ？」
(父の病気が、治る…？もっと長生きできる…？)
私の心は揺れていた。
「私は王家からもイーガ団にも関わらないように育ててきた！お前らのような暗殺者共に娘をやれるものか！」
「口を慎むでござる…今にそんな口が聞けなくなるでござるよ」
父は私を大切に育ててくれた。
私は正直、思っていた。
私がいくら働こうが、医者に治してもらえるほどの分を稼げるわけがない、と。
もし、本当に治るのなら…？
『…わかった。ただし、ここに残るのはお父さんの病が完全に治ってから。治ったら…命令に従う』
「決まりだな」
「グレイ、取り消せ、頼む…！」
「おっと、俺様はグレイと話してるんだ。口契約でも契約は契約だからな！」
『お父さん…私、頼れる人はお父さんしかいないの。だから…ちゃんと生きてほしい、お願い…もう、私大丈夫だから』
「グレイ…」
馬鹿な娘でごめんなさい。
でも…こうすることで、一人の命が救えるのだから。
(悪い事じゃ、ないよね…？)
そう思い、目をぎゅっと瞑った。
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アッキー - 初めまして！スッパ夢見させて頂きました！凄く面白かったです！Twitter(X)もフォローさせて頂きました！アッキー@×OSP&T.K.familyというアカウントなので是非フォローしてくれると幸いです！無理なら構いません。 (11月25日 11時) (
レス) @page27 id: 9a164c919b (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひえぇ…コメありがとうございます…！！ (5月15日 0時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 恋心の利用は辛いですよね…この小説本当に感情移入ができるのが良すぎて泣きそうです… (5月14日 23時) (レス) @page36 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひゃああ！ありがとうございます！！！😭 (5月10日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - めっちゃウズウズしますね🥰最高すぎます！！ (5月10日 22時) (レス) id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2023年5月4日 23時
