弍話 ページ2
『お父さん、ただいま』
私は薪をいくつか背負って家に帰ってきた。
「おかえり、グレイ」
父は数年前から肺を悪くした。
だから、私は自分一人で狩りに出たり、料理をしたり、金を稼いでいる。
「いつもすまないな…こんな肉体労働、お前のような嫁入り前の女子にさせるわけにはいかないのに」
『もう、お父さんってば。嫁に行っている暇なんてないよ。私はまだ見てないものが多過ぎるもん』
私は気がついたら植物に興味があった。
植物から、普通は買わないと手に入らない生活用品を作り出し、またそれに改良を加えて、繰り返して…。
そうして生計を立ててきた。
植物というのは凄いものだ。
自然界のエネルギーには驚かされてばかりで、どんな効能があるのか、どんな役割があるのか…私はもっと知りたいのだ。
「お前の発想にはいつも驚かされるよ。ヒンヤリハーブやポカポカハーブ、ビリビリハーブから洗髪剤を作り出すとは」
『ふふ、私でも驚いてるんだよ？夏にはさっぱりとヒンヤリハーブ、冬にはじんわりとポカポカハーブ！ダイエットとか、身を引き締めたい時にはビリビリハーブ。でもね…どうしても量に限りがあるから、売りに出すのはまだできないの。一雫で、よく泡立つようなものはないかしら…』
「それなら、ヘブラツバキやアッカレムクロジなんてどうだろうか？」
『へぶらつばき…？あっかれむくろじ…？』
「あまり知られていない植物ではあるが、ムクロジは洗髪剤…石鹸とかにはうってつけな植物なんだ。ツバキなんかも、ツバキ油で髪を洗えば綺麗になる」
『へぇ〜、そうなんだ…でも、ここからじゃ遠いよ…ここはフィローネ地方だよ？』
「お前は、どうしたい？」
父にじっ、と見つめられる。
父は昔から、よく私の判断を仰いだ。
私のやりたいことに寄り添ってくれた。
『…行きたい。けど…』
病気で、いつ倒れてしまうかわからない、そんな父を置いていくのは流石に心が痛む。
「私のことだろう？なに、案ずるな。私一人でも生きていけるし、ウオトリー村には知人がいるんだ。何かあればすぐに行くさ」
『でも…』
「お前はお前のやりたいことをやりなさい。いいね？」
『…うん、わかった。ありがとう、お父さん…』
私は父を抱きしめた。
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アッキー - 初めまして！スッパ夢見させて頂きました！凄く面白かったです！Twitter(X)もフォローさせて頂きました！アッキー@×OSP&T.K.familyというアカウントなので是非フォローしてくれると幸いです！無理なら構いません。 (11月25日 11時) (
レス) @page27 id: 9a164c919b (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひえぇ…コメありがとうございます…！！ (5月15日 0時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 恋心の利用は辛いですよね…この小説本当に感情移入ができるのが良すぎて泣きそうです… (5月14日 23時) (レス) @page36 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
yu→ru(プロフ) - ゆず塩さん» ひゃああ！ありがとうございます！！！😭 (5月10日 23時) (レス) id: 27c5cead5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - めっちゃウズウズしますね🥰最高すぎます！！ (5月10日 22時) (レス) id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu→ru | 作成日時：2023年5月4日 23時
