44_HS ページ25
Aが大切だと思うようになったのはいつの頃からだったか。
もう覚えていないぐらい、ずっと前から自分の中のあの子の存在は大きかった。
もちろん他のメンバーも大切だし、大好きだけど、Aに対してはそれだけじゃない、愛おしくて、あの子のためなら何も惜しくなかった。
いつだか、Aと話していた時に言われたことがある。
「オッパが結婚したら、結婚式に呼んでくださいね」
その言葉で、ああ俺にはチャンスはないんだと悟った。
その結婚式で、俺の隣に立ってて欲しいのはAなんだけどな、なんて甘い言葉が出てくる訳もなく、だからと言ってじゃあAの結婚式にも呼んで、なんて軽口を叩くわけでもなく。
ただ曖昧に笑ってその会話を流した。
あの子にとってはなんでもない一言が、俺を一喜一憂させた。
そんな彼女の態度が最近変わったように感じていた。
近くで話しかければ表情が強ばり、近づこうとすればそっと距離を取られ、スキンシップを取ろうものなら触れた瞬間に体が硬くなった。
側から見れば何も変わらないように見えるかもしれないが、俺はあの子を見てきたから。
些細な違和感でも見落とさないように見てきたから。
その変化に気づいてしまって、ついに嫌われてしまったのかもしれないと思った。
でもある日、そそくさと俺から離れていくAの赤く染まった頬を見てしまった。
そして、もしかしたら、という希望が生まれてしまったんだ。
だからあの言葉に必要以上に傷ついてしまった。
「オッパと結婚とかないからって言ったでしょ!」
一言一句違わずAの声で何度も何度も繰り返される。
初めて、ハッキリ失恋した瞬間かもしれない。
HS「結構キツイな…」
そう呟いたらじわりと世界が滲んだ。
この気持ちを伝えるつもりはさらさらなかったし、彼女が幸せならそれでいいと思ってたんだけど。
どうやら心の奥底ではそれ以上を期待していて、その期待は自分が気づかないうちにどんどん大きくなっていたらしい。
HS「カッコ悪…」
1人こぼしたその言葉に、かっこいいですよ、と言うAの幻聴が聴こえて、余計に涙が溢れた。
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クロ(プロフ) - あああさん» コメントありがとうございます!イチャイチャが書き足りないのでいつか書けたらと思っております…! (2022年2月8日 19時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - すごくキュンキュンしたり、読みながらニヤニヤしてたりしてました笑もし番外編を作る予定がありましたら、また読みたいなと思います! (2022年2月7日 2時) (レス) @page50 id: 6326bb1af0 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - soraさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…! (2021年10月19日 13時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 始めまして!最近ホビペンになりまして、主様の投稿を見ているとキュンキュンします♡いつも応援してます! (2021年10月18日 22時) (レス) @page25 id: 4fa3e92ebc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2021年9月18日 11時