ＯＮＬＹ［HS］ (ページ47)

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NM「なんで、ですか…」

絞り出した声はあまりにも掠れてて、唾を飲み込んでもう一度言い直そうとした時、PDニムが口を開いた。

PD「最近、Aはマスコミに心ない言葉を投げかけられて、ストレスを感じていたらしい。」

紅一点、ということを執拗に攻撃してくる彼らの言葉に精神的に参ってしまって、そのうち自分が何のためにグループにいるのか分からなくなってしまった、と。

加えて大好きだったダンスが苦痛になっていることにも悩んでいた時、お皿を落としてパニックを起こした。

そして医師からの診断を受け、活動休止を勧められた…

PD「だけど、彼女がストレスを感じている根源が”メンバーに迷惑をかけている”である以上、彼女としても活動休止してこれ以上迷惑をかけたくないし、それがもっとストレスになることは容易に考えられる」

NM「だから、脱退？そんなの、話が飛びすぎてませんか」

PD「医師からはこれ以上続けられないと言われ、でも活動休止は状況をもっと悪化させる。彼女にとっては1択しかなかったんだろう」

そんな大事なこと、何で僕らには何も言ってくれなかったんだろう。
場違いな怒りが湧いてくる。

NM「PDニムはそれでいいんですか。Aの才能がほしくて、ボーイズグループに女の子を1人入れる決断をしたのはあなたでしょう」

PD「だからこそだ、彼女をこれ以上苦しめ続けられない。彼女自身が悩み抜いて、これが最善だと信じているなら、それを支えるのもトップの仕事だ」

きっと、この2週間、AとPDニムは話し合いを重ねて重ねて、そしてこの結論に至った。
PDニムに止められてもAは考えを変えなかった。
それだけAの意志は固いということだろう。

NM「少し、時間をいただけませんか。メンバーとも話し合わせてください。Aを脱退なんてさせません」

PD「…」

PDニムは何も言わなかったけど、その目は確かに、頼んだぞ、と言っていた。