ＯＮＬＹ［HS］ (ページ25)

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『じゃ、みんなまたね』

『体に気をつけるのよ』

『ちゃんと食べるんだぞ』

『Aちゃん、またね、頑張ってね』

『ありがとうございます』

結局昼食を終えた頃、私は実家を後にした。
姉が運転する車に再び乗り、メンバーの待つホテルへ向かう。

『行きも帰りもありがとうね』

『いいのよ。また帰ってきた時は顔出してね。』

『うん。韓国にも遊びにきてね』

『そうね、架のパスポート作らなきゃ』

いつかみんなで韓国に遊びにきてくれることを楽しみに、また明日から頑張れそうだ。

『ね、Aは本当に今お付き合いしてる人はいないの？』

『いないよ』

『じゃあさ、J-hopeくんのことはどう思ってるの？』

何やら神妙な面持ちだと思えば、急に出てきたホソクオッパの名前。
昨日から姉はそんなにホソクオッパが気になるのだろうか。

『どうって、いつも支えてくれる大事なメンバーだよ』

『それだけ？』

『それだけって？』

『いや、私の目にはAが他の人を見る目と、J-hopeくんを見る目は全然違うように見えるんだよね』

『違う？』

『うん、なんかこう、特別です！って目してるの』

『特別…』

確かに、ホソクオッパは一番最初に私が女だと気づいて、それからずっと色々心配してくれる存在ではあるけれども。

『J-hopeくんもAを見る時は大事ですって言ってるように思うんだけどね。いや、なんでもない、やっぱり忘れて』

忘れて、と言われて忘れられるほど人間よくできてない。
私がホソクオッパのことを特別に思っている？
確かに姉は私のことをよく理解してるし、鋭い観察眼を持っていると思う。
だけど、こればっかりは理解できなかった。

『きっと今は他のことでたくさん忙しいと思うけど、落ち着いた時、ちゃんと自分で色々考えてみてね』

『…わかった』

何を色々考えればいいのか、よくわからなかったが、それだけ言って姉はホテルを後にした。