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うげ、とあからさまに顔を顰める。
あっという間にカメラ内の中心は学校の外を歩く綺麗な足のお姉さんへと向いていた。
いやまぁ確かに綺麗だけども。それとこれとは別だろ完全に。
「……空に合わせろよ」
そう呟けば、はいはいと宥めるように言われてやっと空が中心に映る。
シャッターをタップすれば撮れたのはやけに綺麗な空の写真。
こうめんどくさい所もあるけれどなんやかんやで綺麗に撮れるから感謝している。
SNSをしている身にして見ればこうも綺麗に撮れるとテンションが上がるものだ。
そうこうしている内にクラスメイトはどんどん登校してきて、私の友人もチラホラ。
彼女らは窓際で黄昏ている私を見て思い切り背中を叩いてきた。
携帯落としそうになった、許さん。
「おはよ〜、元気ないね? ん? 恋?」
「は?」
なんでこうも恋愛に繋げたがるのだろうか、私の友人は。
怪訝な顔を向ければしゅんとした表情を浮かべる。
この友人はやけにふとした表情があの目覚ましに似ているような気がする。いやそれは無理があるな。
「てか、今日数学ダルくね?」
「ああ、でも今日自習っしょ」
「え? なんで?」
しまった。
どこから仕入れているのかsakaは明日の授業がどんなのか教えてくれる。お陰で小テストの成績は中間を生きている。
「……いや、そうだったらいいなって。願望?」
「はぁ〜? ややこしすぎるんですけど!」
そうは言われましても、自習なのは事実だし。
口を膨らまして怒る友人を適当に流して合唱練習を始めさせるように促す。
こう見えても学級委員をしていて、今回の合唱コンの指揮も担当している真面目ちゃんだ。見た目はギャルだけど。
「そっか! じゃ、Aはピアノの前にいて!」
よろしくね〜! とあどけなく微笑んだ友人にはいはいと返してピアノへと近付く。
携帯の中では楽しそうに喋る四人が映っていた。
「あ、A」
sakaが私に気付いたのか珍しく表情を和らげてこちらへ手を振る。
珍しいデレに思わず頬が緩み、小さく手を振り返す。
なんやかんやでsakaには甘いからもうダメかもしれない、なんて。
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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2021年6月22日 16時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - ヒロさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらって嬉しいです〜!更新頑張りますね〜! (2019年10月28日 7時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ(プロフ) - 更新頑張ってください!とっても続きが楽しみです!敬語苦手だから許してくれてよかった! (2019年10月28日 1時) (レス) id: 7769e45292 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - おひさまさん» コメントありがとうございます!そう言って頂いて嬉しいです〜!(いえいえ、むしろそっちの方が楽ですので…!) (2019年10月28日 1時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
おひさま(プロフ) - おぉ!これは、続きが楽しみだ〜!(馴れ馴れしくてすみません) (2019年10月28日 0時) (レス) id: 7769e45292 (このIDを非表示/違反報告)
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