＊ ページ10
「……ご馳走様でした」
手をパチン、と合わせてお皿をシンクへと持っていこうとする。
途中、隣に座っていた坂田さんのお皿が出しっぱなのに気付く。
よほど眠かったのか片付けるのが億劫になったらしい。
自分のを重ねて、シンクへと持っていく。
「A、そこにお皿置いて」
「んー」
センラさんに言われ、流れている水の端の方にお皿を置いて礼を言う。
ソファーに戻ると、うらたさんが肩にいたたぬきを下ろして、ソファーで楽しそうにじゃれ合っている。
「……？ ぁ、やまだぬきって言うの」
私の視線に気付いたうらたさんはたぬき――やまだぬきを抱き上げて「可愛いでしょ」と首を傾げてニッて口角を上げて微笑んだ。
やまだぬきちゃんも可愛らしい鳴き声を上げて、ほんの少し差し出した手に頬をすり、と寄せた。
その後、こちらを丸い大きな目で見つめて、微かに微笑む。
「〜〜っ、かわいい……」
その声に、やまだぬきちゃんも、うらたさんもぱっと表情を輝かせた。
うらたさんはニコニコと絶えず笑顔を浮かべて、「抱っこしてみて！」と更にこちらへやまだぬきちゃんを差し出す。
いいのか、と戸惑っていればやまだぬきちゃん自身がうらたさんの手から抜け出し、私の肩にぴょん、と飛び乗った。
その行動にフリーズして動けないでいると、私の頬に体を寄せてザラッとした感覚にやまだぬきちゃんを見ると頬を舐めていた。
その可愛らしさに語彙力のないオタクみたいに「え、むりかわいい……」と思わず呟けばうらたさんに笑われる。
貴方も思ってる事ですよ、そう返したい。
「てか、眠くねーの？ もう日付越えたけど」
「眠くないです。あのグループに入ってたら夜行性に必然となるので」
いや二面生か？さっきまでの可愛らしい言動は何処へ。
私が主にしている潜入調査は基本的に大規模なパーティーなどが多い。夜に行われるので夜行性にならざるを得ないような状況なのだ。
お陰で夜になると目が冴えていくようになった。
私がそういった旨のことを言うと納得したように何度も頷いた。
「へー、でも、この家にいるからには日付越えて寝たら翌日に家事の半分を担ってもらうからね」
「寝ますー、おやすみなさーい」
家事半分とか冗談にも程がある。
あのグループは家事ができないから私がほとんどやっていた。今はどうしてるかはもう知らないです……。
そんな家事をやらなきゃ行けないとかめんどくさい以外の何者でもない。
口早にそう告げて逃げるように階段を上った。
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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