暮らす家 ページ8
「……ここですか？」
誰が思うだろうか。
貰うなんて高らかに宣言された後に運転させられて家に向かうだなんて。
暮らすのならば荷物を取らなきゃいけないから寝泊まりしているアジトへと向かい、そこから隣に座ったうらたさんに説明を受けながら家へと向かった。
シェアハウスと言っていたから納得の広さだ。
白を基調とした清楚そうな家。
洋風のような雰囲気だ。
「ここだよ、合ってる。ありがとね」
シートベルトを外して、キツいからか赤いネクタイピンが映える緑のネクタイをぐいっと引いて緩める。
正直そんな仕草はあの色気集団共の所為で散々見てきたからトキメキとかはあまりないんだけども。
私もシートベルトを外して、鍵を開けてトランクに放り込んどいた必要最低限の荷物を取り出す。
「あぁ、鍵開けるね。荷物重くない？」
「うん、大丈夫」
運転する最中に敬語は指令時を思い出すからという理由でタメ口にしてもらい、名前呼びになった。
年齢差があまりないからそういうのは気にしないし、なんならXYZでは私より年上の人にも余裕でタメ口だから特に躊躇はない。
「……坂田さーん、そこで寝ないでくださいー」
フラフラと入っていったのは見えていたけどまさかここで寝ているとは。
靴がバラバラと並べられていてスーツを着崩すこともなく、ただただ眠っている。
床に赤い髪がパラパラと溢れて綺麗だ。
倒れ込むような形だからか首筋が惜しみも無く晒されているのが目に毒だ。
しかし、声をかけては全く起きない。
「……ねね、A、耳元で起きてって名前呼んで囁いてよ」
「はぁ？ それで起きるんならいいけど……」
よく分からない注文をされて、困惑しながらも恐る恐る彼に近寄る。
すごい腕が痛いから早く終わらせなきゃダメだ。
息を吸って、しゃがみ込んで彼の耳に口を寄せる。
「……起きて、桃夜」
その瞬間、肩を揺らしてさっきまで寝てたのがウソみたいに起き上がる坂田さん。
なんでだろう、とか考えながらキョロキョロと周りを見渡す彼の髪がボサボサだったので手を伸ばして整える。
「ん、ぇ、……A、さん？」
キョトンとした赤い瞳が下から覗く。
俗に言う上目遣いというもの。
さっき囁いたからか顔がほんのり紅く染まっていて、思わず顔を背ける。
そんなに可愛らしいとか……。
「そこ、荷物入れるので」
若干ぶっきらぼうになり、不安になるが気にせず素振りを見せずにごめんと謝る彼。
うらたさんに声をかけられた。
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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