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「……誰がどう言おうと俺の相方はAだけ。手放すなんてせぇへんけど？」
つかつかとこちらへ歩み寄り、私の手を引いて自分に引き寄せた。
甘い香水が、鼻をくすぐる。
自由奔放、去る者は追わず来る者は拒まずといったスタイルで気に入った人しか傍に置いておかない彼。
厚底の編み上げブーツを履いている所為で見下ろされる形になった今、luzくんと視線が交わる。
薄藤色の瞳が光の加減で灰色のように見えて、目を離せなくなる。
こちらを見つめるluzくんが口角を上げて企んだように微笑んだ。
「……A、頼んだよ」
なにがだろう。
耳元で甘ったるい砂糖菓子みたいな声がそう囁いた。
なにを、そう問う前にluzくんは黒で塗られた爪が映える細い指を私の唇に滑らせて、グッと拭った。
「さっき、キスされたやろ？」
舌を出して妖艶に笑う彼は、四人が傍にいることに気づき、私の手に字を書いた。
"任務"。ただその二文字だけ。
「詳しいことは携帯で送る。とにかく……頼んだで」
スルリと私の腰に添えていた手を解いて、トンッと優しく背中を押した。
「条件付きならいいけど？」
上品に笑ったluzくん。
それに反応したのか、坂田さんの背中に隠れていたうらたさんが前に立ちはだかった。
「……どんな条件を掲示する？」
「へぇ、せやなぁ、Aに手ぇ出さんかったらええんやない？」
"貰う"なんて言い方、してたのに。
luzくんは他人事のように――実際他人事なのだが――軽やかに告げた。
そんな軽い条件だったら呑み込むに決まってるじゃん。なに考えてんだ？ そう思うと、うらたさんは条件を聞いた瞬間、顔を歪ませた。
え、なんで？
「っふふ、どうする？ 触らなかったらAのこと、あげるよ？」
「〜〜っ、分かったよ、分かった。その条件受けるから、だから……」
諦めたようにそう告げたうらたさんにluzくんは勝ち誇った笑顔を浮かべて、状況が掴めずに困惑しきった私の手を掴んだ。
「ん。……触れでもしたら…………」
うらたさんの前に連れてくると、手を離しそのままluzくんは彼の耳に顔を近づけて何かを呟いた。
センラさんが私に向けた恍惚が滲むそんな表情。
それをうらたさんは聞き終えた後、睨むようにしながらも浮かべていた。
「なぁ、るす。そっちから手を出すのはセーフ？」
「Aから？ ええんちゃう？」
坂田さんがluzくんに話しかけそんなのが返ってくる。
私からは手を出さないはすだ。
その日、私は彼らの元へ貰われることになった。
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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