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とんっ、と壁に凭れる。
連れてこられたのは人気が全くない個室。
潜入どころじゃないんだけどなぁ、とため息を吐く。
手を引いた青年は私の手を掴んだままこちらを向かないし、星ヶ谷さんは私と同じように壁に凭れていて、視線が床に向いているから表情が全く掴めない。
「用事、なんですか？」
そう聞くと、青年はこちらを向いて小さく笑った。
それと、どうやら他に二人いるらしい。
「……神白、さんだっけ？ 俺、浦田 渉。皆からは肩にいるこいつと苗字をかけて、うらたぬきって呼ばれてる。お前もそう呼んで」
有無を言わさない威圧感を含んでいる言葉に頷いて、話しかける。
「他に、誰かいますよね？」
「…………気付いたんだ」
楽しそうに口角を上げて微笑む彼、うらたさんがそう言うととんっと床に降りる小さな音が聞こえた。
「Aちゃん、よな？ 初めまして、坂田 桃夜って言うねん、みんな苗字で呼ぶかはAちゃんもそれでええよ！」
パッと弾けた笑顔と弾んだ声音。
ニコニコと笑顔を絶やさずにいる坂田さんはその表情とは反対に紅い髪を隠すかのようにパーカーのフードを被っている。
朱い瞳が私を映す。
彼は目が合って、ニコリと微笑んだ。可愛らしい、犬みたいな人だ。
「坂田。Aさん困らせないの」
「……はぁーい」
渋々頷いた坂田さん。彼が黙ると同時に星ヶ谷さんが話し出した。
口元に手を当てて、目を細めながら話す。
「もう少しで志麻くん……僕らの仲間が"るす"を連れてくる。その名前、分かるやろ？」
表情を変えず、柔らかい笑顔のまま。
luz。私の相棒でXYZのリーダー。
天然でアホっぽいがグループ内で最もSっ気が強い。そして、やる時はやれる、そんな人。
「ああ、そんな敵意を見せんといて？ 大丈夫、そんなに手荒なことはせーへんで。まぁ、うらたんは敵意剥き出しやけどね」
ふふっと笑い声が聞こえて、指を差した方を向くとうらたさんが不機嫌そうに舌を鳴らすところだった。
なんやかんやで交流の広い彼は二人とも交流があるのだろう。
と、いうか恐らくこの四人と交流があるはずだ。
そういえば、星ヶ谷さんは自分のことをセンラと名乗っていたが何故だろうか。
星ヶ谷さんというのは長いから、私もセンラさんと呼びたいな。
「……センラさん、」
「っ！？ ――……な、なに？」
びくっと肩を揺らすが、センラさんと呼んだことに抵抗はないらしい。
じゃあ、これからそう呼んでいこうかな。
他人事のようにそう考えた。
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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