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志麻さんが指を差した場所、そこからぬるりと滑らかな動きで出てきたのは、最初に見た女性の友人二人。
え？と疑問に思ったのも束の間、その二人は頭から血を流していて、腕が変な方向に曲がってるのに表情一つ変えてない……。
『え、なんで……』
「走れよ！？ え、なにしてんの捕まんじゃん走れ！！！」
驚愕して固まった女性に慌てたように何度も告げるうらたさん。
ただ、その願いも虚しく女性は走らずにフラフラと逃げ出す。
勿論、そんな速さで逃げ切れる訳もなく。
手が掴まれて、振り返ればテレビいっぱいに映るのは血で真っ赤に染まった、二人の顔。
女性の悲鳴をバックにして物語は終わりを告げた。
どうやらこの話で終わりらしく、今までの話と出演した役者さんをエンディングで流している。
それも無事に終わった。だが、あまりのエンドに誰もが動く気力すらなかった。
「やば……吐きそ…………」
ふと告げたのは中々エグい中でもクッキーを頬張っていた坂田さん。
案の定なのか、口元を抑えて眉を顰めてそう言う。
傍に置いてあったレジ袋のようなのを手渡し、それっきり、志麻さんは突っ伏した。
何度か咳を繰り返しているのが耳に入るが生憎立ち上がる気力はおろか、顔を上げる気力すらない。
しばらく経てば、落ち着いたのかソファーに寝転がる音がした。
＊
「ぅ……食欲ねぇ……てかいま何時？」
よほどのショックを抱えきった私たちは死んだように時間を過ごした。外が何時とか分からない。外を見たら血みどろの知り合いが居そうで怖い。
ただ、うらたさんの問いに答えようとさっきまで机の上に置いておいた携帯を取り時間を見る。
「……七時半」
そして驚愕。
今までの時間を何してたと問われたらどう頑張っても答えることのできる自信はない。
それはみんな同じだろう。
とにかく、うらたさんの言う通り私は食欲が湧かない。肉を見たら赫い肉を、野菜を見たらあの痩せ細った腕をイメージしてしまうから。
そもそも、あんなのが脳裏に映った状態で食べられるわけが無い。
「ねぇ、」
うらたさんの声が届いて、全員が反応したのが分かる。
「今日さ、ここに布団ひいて寝ねぇ？」
「天才か」
「天才じゃん」
「それは天才」
「えうらさん天才すぎる」
全員に褒めて崇められたようなうらたさんは調子に乗って布団を取りに行かされていた。
尚、その夜はトラウマのせいにより半数がまともに寝ることが出来なかった。
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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