＊ ページ31
「坂田さん、眠くないの？」
「ん、ぅ……だいじょぶ、」
へにゃりと目を細めてあどけなく笑った彼にため息を一つ。
夜も更けてきて、真夜中。
うらたさんは疲れたのか死んでしまったのかと疑うように机に突っ伏しており、しませんの二人は酔っ払って大量にお酒を飲んでいる。
普段は坂田さんも夜遅くまで起きてる人なんだろうけど如何せん、お酒を飲みすぎた故にこの状況。
0:30へと、時計の針が動いた。
サラリと私の肩に預けていた彼が揺れて、髪が頬を撫でた。
本当に眠くないのかな？とすごい不安になってくる。
「眠いなら、寝てもいいんだよ？」
「やーぁ、まだAといっしょがええ」
その言葉に彼の方を向けば彼もこちらを向いて、ふわっと花が咲くような笑顔を見せた。
いつにも増して甘えたなのが可愛くてほんのりと紅く染まった頬を撫でる。
「ぜ、ったいに、ねぇへん、もん」
そうは言いながらもうつらうつらと船を漕いでいるし、なんなら今にも寝そう。
不安げに見ていると、突然坂田さんの体が揺れて私に思いっきり凭れてくる。
「えっ、ちょ……っ！」
慌てて抱きとめるけど、私も多少はお酒を飲んでいるため起こすほどの力はない。
諦めて、ゆっくりと手を離せばそのまま私の膝にぽふ、と頭を乗せる。
いわゆる、膝枕という状況。
「……眠い？」
「ぜ、んぜん……？」
平気だよ？と途切れ途切れで話す姿に思わず笑みが零れる。
そんなに眠いなら寝てしまえばいいのに。
だって、私はこの家に住んでいるんだから、ね。
寝っ転がったままの彼の腕辺りをぽんぽん、と優しくゆっくりと叩けば、それに合わせて彼の目もゆっくりと閉じられていく。
やがて、すーすーと心地よさそうな寝息が聞こえた。
「っふふ、おやすみ」
髪を撫でようと手を伸ばすと、その手をパシッと掴まれた。
寝惚けているのかな？と考えて、しばらく待ってみれば寝ているにしてはハッキリした口調で坂田さんは言葉を発した。
「もう、置いてかないで……」
悲壮に包まれて、何かを諦めきった中でも懇願するような声音に、吸い込まれそうな感覚になった。
その純粋な笑顔の奥に隠した君の闇は、なに？
「……おしえて、」
時計の音だけが響くリビング。
私の声は水に溶けるように消えてなくなった。
この声に答える人は、誰もいない
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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