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耳を疑う問いだった。
初対面に貴方はSか、なんて。
その表情は、初対面の人に質問をするから少し恥ずかしくてなんてレベルじゃないほどに顔が赤くて、どこか恍惚が見られる。
「え、S……？ 違う、と思います」
いや知らないわ。第1の感想がそれだ。
SM診断なんてものは見たことあるけどやったことは無い。
ただ、あのドS集団でもやっていけてるんだからS寄りなのかな、なんて。
「で、用事はそれだけですか？」
腕を組んで、そう尋ねる。
Sかどうかで引き止められたとならば正直、めちゃめちゃめんどくさい。
用事があるって訳じゃないんだけども。
「……いえ。成瀬様から、呼ばれていて……」
「成瀬、から？ 私が？」
成瀬 春。可愛らしい名前で柔らかい雰囲気だが正真正銘の男性でグループ内で最も裏表が激しい人間だ。
男性はコクリと頷く。
nqrseは一体何がしたいんだろう。
「……まぁいいや、案内して貰えます？」
そう問いかけると、男性は小さく頷いた。
急に喋らなくなったなぁ、なんて他人事のように考えながら歩き出した彼に着いていく。
「そういえば、お名前聞いてもいいですか？」
「え？ あぁ、神白Aです」
私がそう言うと男性は「神白さん……」と何回か繰り返した後、こちらを向いた。
彼はほんの少し笑顔を浮かべた。
「僕の名前は星ヶ谷 折羽」
ふにゃりとはにかんだ彼――星ヶ谷さんは途端に私の腕を引いた。
視界に映る蜂蜜色の髪と至近距離で見える綺麗な琥珀色の瞳。
唇に押し当てられた、柔らかい感触。
反射的に掴まれていた腕を振り払う。
無意識の内に舌打ちをしていたのか星ヶ谷さんは怯えたように肩を竦めた。
それは、誰のせい？
無性にイライラしてきて、ヒールで歩きにくいことも無視して、彼に歩み寄る。
「さっきからなんですか？ 怖いんですけど」
視線を向けると、星ヶ谷さんはその端麗な顔立ちに小さく笑顔を浮かべた。
なにか、予感が当たったみたいな、そんな不思議な笑顔。
「ああ、やっぱり。センラが予想した通りやわ。神白さんはセンラが……俺達が追い求めていた少女や」
その声がした瞬間、手首が掴まれた。
ほんの少し冷えた手。
振り払って後ろを向く。
真ん中で分けたミルクティーの髪が印象的な少年が、翡翠の目を細めていた。
「……貴方は？」
「俺は……」
そう口を開きかけて、彼は押し黙った。
「…………とにかく、着いてきて！」
手を引いたまま駆け出した彼に私は慌てて着いて行った。
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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