＊ ページ30
おかしいんじゃないか？
私の歓迎会なのに私が一番苦労しているのは。
「A〜！！」
「近寄るな近寄るな！ ちょ、料理してんの見えないか……！？」
お腹すいたって言うから焼肉食べ終わった後におつまみになりそうなもの作ってるっていうのになんで坂田さんは抱きついてくるんだろう。
髪と同じくらい真っ赤に染まった顔を見て、一つため息を付く。どうやら、相当酔っ払っているようだ。
髪を優しく撫でて、離れるように告げる。
えー、なんて言いながらも坂田さんはゆっくりと離れた。
「ほら、うらたさん呼んでる」
「……Aといたいから行かない」
いやいや、ダメだって。うらたさん叫んでるから。あの人麦茶飲んでたはずなのにお酒飲んで手も付けられないほどに酔っ払ってるから。近所迷惑になってるんだよ。
もう少しで終わるから、行ってて、と声を上げると、ちぇっなんて舌打ちだかよくわかんない事をするとうらたさんの方へ向かった。
一安心になるのかは分からないが、早く終わらせよう。
*
「うまぁー！」
「声のトーン下げて」
「はい」
私が作ったのを美味しい！と食べてくれるのは嬉しいがそれとこれとは話が別。
ただでさえ、夜なんだから静かにして欲しいのに気付いたら夜中。ほんとにやめてくれ。
「ん、……へへ、A〜……」
さっきうらたさんを任せたからか席に着いた瞬間坂田さんが抱きついて来て、そのまま離れようとしない。
赤い瞳が潤んで見えてぎゅ、と胸が痛む。
その姿が、妹と重なって見えたから。
「坂田さん、眠いなら寝ていいんだけど……」
「ん〜……でも、Aといたいからいいや……」
へへ、とあざとく微笑んだ坂田さんにまた小さくため息を付いた。
どこかあどけなさの残るその笑顔が可愛らしく感じて頭に手を乗せて優しく撫でた。
「ん、ふ、ぁ……」
「え？」
「……え？」
酔ってるから、じゃないよな。
なんか、小さく喘いだように思えた。
本人も気付いたのか、ふいっと顔を見せないようにそっぽを向いた。
「坂田さーん、」
「……ちょ、ほんまやめて、」
ふるふる、と首を横に振った彼に疑問を抱く。
ぎゅ、と手を握られて恥ずかしそうに言われた。
「いま、さっきと比べられないくらい、顔赤い、から……」
だから、やめて。だなんて。
可愛いなぁ、って思って、赤い髪をもう一度乱暴に撫でた。
「だからぁっ、頭撫でたら感じるって言ったやんっ！」
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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