＊ ページ23
Side,センラ
うらたんが、真っ赤な顔で帰ってきたのを考えるに、俺の選択は合っていたらしい。
ジャンケンで勝ったから、ハジメテが俺らのリーダーをこんなにさせた人って幸せかもな。
なんて思いながら付いてくる彼女を俺の部屋に案内する。
「センラさん、部屋綺麗なんですね」
ニコッと優しい笑顔を浮かべるAにきゅん、と胸が高鳴る。かわいい。
「あ、センラさんってなんでもいいんでしたよね？ どうしますか？」
ほんの少し首を傾げる仕草が可愛くて、こんな人が、なんて。
ぼんやりと考えていたからか、彼女が近寄るのに気付かなかった。
気付いた時には、Aの顔が間近にあって、手は壁に押さえつけられていた。
「……言ってきたの、アンタでしょ。考えてよ」
耳に顔を近付けられて、低い声が響く。
ゾクッと背筋が凍る。
近付けたままでふ、と弱々しい吐息が耳を掠める。
「ひ、ぅっ……」
ただ一つの行動だけでこんなにも頭が溶けそうになるなんて。
口から自然と漏れた声に、彼女は楽しそうに口角を上げた。
「へー、耳弱いんだぁ」
クスクスと微笑んだ彼女に嫌な予感がした。
案の定、ふーと耳に息を吹きかけ続けている。
「ぁ、ｯひ、ゃ、ん……ｯ！」
「あは、センラさんかわいー」
それでも、自分の高い声なんて聞きたくなくて、必死に口を手の甲で抑えていたらAが耳元でボソリと呟いた。
「ｯあ、ひぁっ、ゃ、だ……ｯ」
「いやじゃないでしょ。やってって言ったの誰？ ねぇ、センラさん」
Aの声が、脳に直接届く。
それだけで、君に支配されたみたいで脳が溶ける。
「ぁ、ふ、……っ、ぎゅ、して……ｯ」
「……ぇ、」
ほとんど無意識にそう口走る。
Aが困惑するのが見えて、「ごめん」と謝る。
なんだか、空気が凍った気がして下を向く。
「別に、嫌なわけじゃないので」
そんな声とともにぎゅっ、と抱き締められる。
暖かい体温と優しい香りに包まれて、背中に手を回す。
「A、」
「……なんですか」
「……すき、だいすき」
絶対困惑してるだろうけど、そんなの気にしない。
ただ、背中に手を回したまま好き、と言い続けてれば時間を告げるアラームが鳴った。
「あれ、終わり。なんで抱きしめて欲しいなんて？」
アラームを止めて、若干乱れた髪を梳かしながらこちらに視線を寄越したAは不思議そうに首を傾げた。
「分からん……なんとなく？」
「……っふふ、そっかぁ」
優しい声が、耳に届いた。
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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