＊ ページ15
「あー、坂田いるなら一緒に言うね。朝ごはん作ったんだけど、食べる？」
急にその声が届いて、思わず肩を揺らす。
慌てて扉越しの彼に向けて声をかける。
「お願いします〜」
「はぁーい、もう降りてきてね」
うらたさんの声にはーい、と返事をして、大きくため息をつく。
やましいことはないはずなのになんで隠したようになってるんだろう。
手を広げたままの坂田さんと目が合う。
「ね、ぎゅーしてくれないの？」
首を傾げた拍子にパラパラと赤い髪が首筋をなぞる。
手を広げて、「だめ？」だなんて。
はぁ、ため息をついて手を伸ばして「おいで」と呼ぶと坂田さんは顔を輝かせて飛び込んでくる。
背中に回された手はまだ寝起きだからかほんのりと暖かくて珍しく人の体温を感じることが出来て、どこか感動する。
「へへ〜っ、Aのハジメテ奪った？」
「変な言い方しないで」
いや多分攻めた事なんだろうけど確実に変な方に言ってる。こんなこと3人の前で言われたら絶対に勘違いされる。辛いなそれ。
「そろそろ離れてー」
ぽんぽんと肩を叩くけど全然動く気配がない。
仕方ないから肩口に顔を埋めていた坂田さんを無理やりこちらに目を合わせる。
疑問を持った「へ？」という声を無視して唇に指を滑らせる。
「……っ、」
「今どいたら、キスしてあげるけど？」
どうする？そう問いかけると即座にどいた。いや怖いなぁ。
「どいたよっ、ね、ちゅーしてっ！」
子犬みたいな雰囲気で言うから、私はふっと微笑んで、腕を引き寄せる。
そのまま、ゆっくりと頬にキスを落とした。
「っえ、……」
「誰も唇にキスするなんて言ってないからね」
騙されたでしょ？と煽れば、ぷくと頬を膨らませて怒る。
なんか色々言われたけど割と理不尽だったから全部聞き流し。
「もぉ、いいよ。ご飯行く！！」
べー、とこちらに舌を出して反抗する彼に小さくため息をついた。
扉を出ていこうとする背中に「坂田さん」と呼びかけて、振り向いた唇に、
「、んっ……」
一つだけ、キスをした。
見る見るうちに顔を赤くしていく坂田さんに今度は私が舌を出して微笑んだ。
「ほら。ちゅー、したげたよ」
後ろで坂田さんが何か言ってたのを無視して、自室を出た。
「〜〜っ、やば……」
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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年4月20日 22時) (
レス) @page37 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ここで終わってしまうのが悲しいですが、わかりました(´;ω;｀) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - りーゆーさん» ハロウィン折角だから書こうかな〜と！こちらこそありがとうございます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りーゆー - 凪桜さん» ハ、ハロウィンだ〜〜！！ありがとうございますっ！！！！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: fedfe469a7 (このIDを非表示/違反報告)
凪桜(プロフ) - らんまさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです〜！！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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