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Episode 04 ページ5

正直、穴がある提案だと思う。
けど、あの子が好きで、付き合いたいけど付き合う決心までは行かない僕には藁にも縋るものだった。

「やっほー、センラ、まーしぃ」

「遅刻してるってことを自覚しようなー?」

「……ひゃい」

坂田とうらたんが扉を開けてやって来る。
軽そうに笑う坂田は遅刻していることを自覚してないらしくうらたんに頬を摘まれていた。

「遅刻、やなぁ……っふふ、会議しよか」

楽しそうに話しているうらさかに声をかければはーい、と返事がして二人は隣同士に座る。
志麻くんは僕の隣に座り、坂田と向き合う形になった。


「はー、終わったぁぁ」

「ん〜、疲れたぁ〜」

しまさかの二人が声と共に伸びをする。
時計の針が真上を指していたはずなのに今は3を示している。

「あっ! なぁなぁ、二人とも」

ニッと口角を上げて微笑んだ志麻くんに二人はなんの用だと身を乗り出して尋ねた。

「センラさん、好きな人がおって――」

興味津々な二人にまるで我が物顔で堂々と話す志麻くん。なんだか恥ずかしくなってきた……。
志麻くんが話し終わる頃には顔は熱を帯びていて顔を覆っている状態だった。

「要するに、センラの架空の好きな人を作ればええんやろ?」

物事を素早く理解した坂田は口元に楽しさを含んだ笑顔を浮かべてそう告げた。
それに同意するかのようにうらたんはコクコクと頷く。

「そーゆーこと、二人とも協力してくれるか!?」

「もちろん!!」
「当たり前!!」

志麻くんの問いかけに満面の笑みで頷いたうらさか。
声が揃って部屋中に響いた。

「さて、紙とペンを用意します」

「用意しました」

「よし、センラさん、好きなタイプを挙げてこ〜!」

意気揚々と弾んだ志麻くんの声に彼を見れば紫翠はキラキラと輝いていて思わず笑みが零れる。
楽しそうに微笑む志麻くんの質問に僕はゆっくりと答え出した。

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蘭渚(プロフ) - ただのセンラ―さん» いえいえ〜!ありがとうございます、聞いてみますね〜! (2019年5月27日 20時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
ただのセンラ― - コメ返ありがとうございます!さかたんが歌ってるのでおススメですよ((更新楽しみにしてます (2019年5月27日 19時) (レス) id: 48d1717d9d (このIDを非表示/違反報告)
蘭渚(プロフ) - ただのセンラ―さん» コメントありがとうございます!わぁ、すごい嬉しいです!友達から聞いてタイトルだけ知ってる感じですかね〜、少し参考にしましたけどね……!本当に嬉しい言葉ありがとうございます、頑張ります! (2019年5月27日 19時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
ただのセンラ― - 題名からして大好きです。あれですかね、「僕は君のことが好きだけど君は僕のことが別に好きじゃないみたい」とか意識しましたか?(違ったらクソ恥ずかしい)まぁ、とにかく好きです。これからも頑張ってください (2019年5月27日 19時) (レス) id: 48d1717d9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凪桜 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年5月27日 0時

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