ラブエモーション【東海オンエア】

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としみつサイド



…Aさん、東京住みなんだ。



全然考えてなかった。衝撃の事実。

りょうと幼なじみだっていうから、感覚的に岡崎住みかと思ってた。

いやー、普通に落ち込む。

全然会えないやん。知り合ったばかりなのに全然会えなくなるやん。

かと言って、近くに住んでたところで｢また会えますか｣なんて恥ずかしくて死んでも言えねえし。

ていうか、断られるのが怖くて無理なだけなんだけど。



…どんだけチキンなの、俺。






＿＿＿＿結局、一目惚れの相手がすぐそこにいるにも関わらず、まともな会話ひとつも出来ないまま1日は終わろうとしていた。

むしろ、Aさんはりょうにベッタリで、俺の方に来てくれる気配無し。


まさか…りょうのこと好きだったりして。

…いや、りょうは好きじゃないから大丈夫。

あ、でも、Aさんがもし本当に好きならそれは可哀想だし。


女々しすぎる俺は、極力Aさんたちから離れてカーテンを見て周り、Aさんを忘れようとしたけど、やっぱりダメで。



帰りにご飯でも食べて行くかー？なんて話をしてるりょうとAさんをぼーっと見つめてた。



｢じゃ、何処に行く？｣

りょうはGoogleで近くの飲食店を調べ出す。

｢何処が良いかな。一番近いところで良いよね？｣

｢んーじゃ、ガストしかないけど笑｣

｢ガストで良い！…としみつさんは、いい？｣


突然話を振られて、びっくりしてAさんを見ると、


｢…あ、もしかしてご飯食べないで帰る感じでした？｣

と気を遣われ、

｢いや、食べます。行きましょう、ガスト｣

と慌てて返すダサい俺。


そんな俺に




＿＿＿＿｢…うん、じゃあ決まりね｣




そう言って、すっげえ優しく微笑んだAさんは、まじで馬鹿みたいに可愛くて。

その大人しそうな声も雰囲気も、可愛いエクボも全部俺の物にしたい。

って強く思ってしまって、

もう、抜け出せそうになくて、大好きだと思ってしまって、


…叶わない恋、つれぇ。


そう、深く深く実感する1日になりそうだと思った。

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