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あなたサイド


____しばらく車で走って家具屋に着いた。

見慣れたこの街がもう恋しくて、東京戻りたくないな〜って思ったり。

隣を歩くりょうくんの横顔も、もう懐かしくて。


「戻りたくないもう」


思わず弱音が漏れた。


「弱気だね、珍しく」

「上手くいかないもん、仕事探し」

私が言うと、りょうくんの手が私の頭に伸びてわしゃわしゃと髪の毛が乱される。

「頑張って、A」

りょうくんは一言そう言って、「はい、カーペットから探すよ!」と私の手を引いた。

乱れたままの髪の毛の隙間から、としみつさんとまた目が合って、

「東京住んでるんすか」

低い声でとしみつさんが私を引き止めた。


「…まぁ」

「そうなんすね」


としみつさんはそう軽く返事をすると、そそくさと私とりょうくんの先をいってしまう。


…よく分からない人だな。


そう思いながら後ろ姿を見つめた。



「カッコいいでしょ?うちのとしくん笑」


ぼーっとしていたら、りょうくんはそう言って笑う。

「…まぁそうだね」

「あんな、かっこよくて運動できて歌もうまくて、めちゃくちゃ優しい完璧なとしくんだけど、彼女いないよ」

「…だから何よ」

「ちなみに、女の子苦手で下心とかも全然無いし、大切にしてくれると思うけど」

「だから何ってば。
あ…まさかとしみつさんを紹介するために岡崎呼んだとか言わないよね?」



私が言うと、すーっと目をそらしてニヤニヤするりょうくん。

ははーん。珍しく強引だと思ったら。

としみつさんと私をくっつけたかった訳だ。



もう一度としみつさんの方を見ると、カーテンの所をウロウロして、時々上を見上げてる。
…横顔めっちゃカッコイイ。
とふいにときめく私。

これですごく純粋とか、もうちょっと私の理想にはだいぶ近い。

あの声といい雰囲気といい、何とも言えない。




それに…りょうくんがそこまでして推す男の人って、どんな人?



気づいたら、としみつさんの事で頭がいっぱいだった。

気になって仕方なくて、ずっとずっと目で追っていた。

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なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!泣きました。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´;ω;`) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております! (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです!最高でした!! (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MONO | 作成日時:2017年5月5日 19時

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