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あなたサイド


____後ろから抱きしめられてる。


水に浸りそうな裾より、その体勢の方が気になる。

やばい、心臓の音聞こえちゃう。

一気に体温が上がってるのがわかって、今にも赤い耳を隠したい。



としくんの綺麗な指が、私の裾を掴んで、肘までたくしあげてく。

その流れるような綺麗な動きに目を合わせるしかなくて。


近い、恥ずかしい。


そう心の奥で連呼した。


水に浸からないくらいに上げて貰ったから、早くこの体勢をどうにかしたくて、
お礼を言おうと振り向くと、




「____えっ」

としみつ「____あ」




鼻と鼻、目と目がくっつきそうな距離に、としくんの顔があった。

至近距離でぶつかった視線に、目が離せなくなる。

思わず二人共声が漏れて。

その綺麗な瞳に、

だめだ、吸い込まれそう。

そう心の中で呟いた。



「ちょっと、なに、ぼーっとしてるの
また水浸かっちゃうよ笑」



吸い込まれそうになる前に、慌てて私はそう言って、手についた水をとしくんにパッとかける。

恥ずかしさを紛らわしたかった。


としみつ「あっごめん」

「良かった浸かってない
ありがとうね笑」

としみつ「ん」


心做しかとしくんの顔が赤いのは気のせいかな。

いや、女の子慣れしてないとしくんなら、こういうことでドキドキしても仕方ないのかもしれない。

例え、このハプニングの相手が私じゃなかったとしても、ドキドキしてたんだろうな。

まーそう、1人で色々考えて悲しくなった。










____そして、2人で車に乗って浴衣屋さんに向かう。


好きな人の助手席っていうのは、何処と無く緊張するもの。

それに、好きな人の運転する横顔ほどかっこいいものはない。


としみつ「浴衣とか久しぶり」

「そうなの?」

としみつ「うん、高校生以来」


____その時は好きな人と来たのかな。
その子はどんな子だったのかな。
その時はどんな花火だったのかな。

耐えないネガティブな妄想。


としくんにゾッコンな証。



としみつ「Aさんは?」

「私は去年着たよ」

としみつ「誰と行ったの?祭り」

「んー友達かな」

としみつ「へー」



友達って言ったら、意外とモテないとか思われるのかな。

だめだ、またネガティブになってる。



としみつ「楽しみっすね」



____ネガティブだけど、楽しみ。

少し嫌な気持ちになっても、としくんがそう言って、
私に笑いかけてくれるだけで、



どうでもよくなってしまった。

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なな(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!泣きました。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 21460c7daa (このIDを非表示/違反報告)
カリン - めっちゃドキドキしました (2017年12月25日 16時) (レス) id: 85ef3d3396 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーもも(プロフ) - 初めまして!!…なんかもう、ドキドキが止まりませんでした(´;ω;`) (2017年9月19日 20時) (レス) id: b5c457861f (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 百恵さん» ありがとうございます(*^_^*)シーズン2でもお待ちしております! (2017年8月16日 17時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
百恵(プロフ) - 今までみた作品の中で1番好きです!最高でした!! (2017年8月16日 14時) (レス) id: 322469ddfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MONO | 作成日時:2017年5月5日 19時

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